南岸低気圧の影響で、東北南部を中心に積雪が増加しています。10日(金)17時前には宮城県全域に「大雪警報」が発表されました。県内全域に「大雪警報」が発表されたのは、2018年1月以来5年ぶりとなります。このあと、今夜からあす明け方にかけて雪の降り方がさらに強まる所もあるでしょう。引き続き、大雪による交通障害などに警戒が必要です。また、湿った重たい雪となっているため、電線や樹木などへの着雪にも十分注意して下さい。

●今夜からあす(土)明け方にかけて 太平洋側を中心に雪強まる

当初の予想よりも早い時間帯から雪雲がかかり始めたことにより、日中の気温も予想ほど上がらず、東北南部を中心に積雪が増加しています。10日(金)17時現在、福島市では積雪12センチ、仙台市では6センチと市街地でもまとまった雪となっています。
このあと、今夜からあす明け方にかけては雪の降り方がさらに強まる恐れがあります。今夜は山形県や宮城県の西部、福島県中通りなどで特に降り方が強まるでしょう。その後、日付が変わる頃になると岩手県の沿岸でも強く降る所がありそうです。短い時間に積雪が一気に急増する所もあるでしょう。不要不急の外出は控えるなど、予定の変更も検討した方が良さそうです。

10日(金)18時から11日(土)18時までに予想される24時間降雪量は、いずれも多い所で、
東北太平洋側南部 山沿い 30センチ
東北太平洋側南部 平地  20センチ
東北日本海側南部 山沿い 30センチ
東北日本海側南部 平地  30センチ

●今回の大雪 注意ポイントは?

今回の雪は「湿った重たい雪」となる予想です。電線や樹木などに雪が付着すると、雪の重みで電線が切れたり倒木などの危険性があります。また、ビニールハウスの倒壊など農業施設への被害にも注意・警戒が必要です。そして、普段雪が少ない太平洋側南部の市街地でも大雪となる恐れがあります。雪の降り方が強まり、短い時間に積雪が急増する所もありそうです。

注意点は以下の通りです。

①道路の除雪が追いつかなくなることで、車の「大渋滞」や「立ち往生」が発生する恐れがあります。特に交通量の多い国道や高速道路などでは大規模な立ち往生となり、復旧まで長時間かかることがあります。雪道を運転する場合は、万が一に備えて、除雪用のスコップや防寒着、毛布などを車内に用意しておくとよいでしょう。

②「屋根からの落雪」にも注意が必要です。屋根に大量の雪が積もると、雪の重みで一気に雪が滑り落ちてくることがあります。特に軒先で作業する際は頭上の状況を確認するなど十分な注意が必要です。

③道路の側溝などに雪が積もってしまうと、水はけが悪くなり「道路が冠水」することがあります。特に雪の多い地域では消雪パイプからの水が道路に溜まりやすいので注意が必要です。

このほか、鉄道や空の便などではすでに大雪による影響が出ています。今後も交通機関への影響が長引くことが予想されますので、最新の気象情報・交通情報をこまめに確認するようにしてください。

●あす(土)は天気回復 週明けは再び南岸低気圧接近

あす(土)の日中は天気が回復し、日差しの戻る所が多いでしょう。気温も平年を上回る所が多いため、雪解けが進むでしょう。なだれや屋根からの落雪等にご注意下さい。
12日(日)は東北北部付近を気圧の谷が通過する予想です。このため、青森県や秋田県、岩手県では変わりやすい天気となるでしょう。日中はにわか雨やにわか雪の所がありそうです。空模様の変化に注意して下さい。
13日(月)は再び、日本の南岸を低気圧が東へ進むでしょう。低気圧に近い東北南部を中心に天気が崩れる予想です。きょう(金)と違うところは気温が高いことです。きょう(金)は気温が低かったため広く雪が降っていますが、13日(月)は雪ではなく雨で降る所が多くなりそうです。雪解けによる川の増水などに注意して下さい。

情報提供元: tenki.jp日直予報士