新潟経営大の新学長、元Jリーガー杉山学氏が自身が描く大学の未来、新潟への思いを語る<1>
新潟経営大の学長に元Jリーガーの杉山学氏(57)が8月1日に就任した。現役時代はFWで、清水を皮切りに山形、そして96年から3季、新潟に在籍した。同大の監督や部長を歴任するなど、サッカーを軸に29年間新潟に関わってきた経験を大学の進化、変革に生かそうとする意思を語った。2回に渡って紹介する。【取材・構成 斎藤慎一郎】
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-学長に就任して
「私よりも周囲の反応が大きくて驚きました。母校の国士舘大サッカー部出身者では(学長は)初のようです。母校だけでなく、サッカー関係のたくさんの方々から励ましをいただきました。゛サッカーでやってきたことを生かせるな゛という声が多かったです」
-卒業生には元日本代表のGK東口順昭選手(J1G大阪)ら、Jリーガーも多い
「そういったOBがいることは誇りです。現役生も昨年は男女ともインカレに出場するなど力をつけています。サッカーだけでなく、近年は強化指定部を中心にスポーツの部活が育っています」
-スポーツは大学活性化の要素
「元学長の関博之教授らが尽力してくださって、強化指定部は2年前の4部から13部に増えています。これは学長になったからではなく、以前から周囲に話していたことですが、大学の10年後を考えた時、スポーツは重要なジャンルになります。強化指定部以外でも、スポーツについて学んで、関われるような人材を輩出することが大学の個性になり、発展につながります」
-経営を学べるのも大学の特色では
「もちろんそこは大切です。スポーツはやるだけではなく、見る側もあるし、関わり方は豊富です。経営と連係することでより特徴を出せる。うちには経営分野のエキスパートがたくさんいるので。チームや選手だけでなく、フロントやスポーツビジネスの方面に対してもアプローチしていけるような形を具体化したいです」
-学生にどういった学びの場の提供を
「大学内での講義も大切ですが、いずれは社会の役に立つ人間になってほしいわけです。企業や社会で実習の場を増やして、実戦的な経験を積ませたいです。そこにはスポーツも経営も関係ないです。社会に出たら現場で何ができるかが大切です」
-そこはサッカーで経験したこと
「それはあります。静岡の清水でサッカーをやっていました。(元J1新潟監督の)反町康治さんも同地区の先輩です。自分たちと同学年のチームだけではなく、反町さんのような上の年代やカテゴリーのチームや選手と試合をする機会がすごく多かった。そのたびに上には上がいると思わされ、そして練習し直して。学生にも社会を肌で感じて、そこから学ぶ経験を積んでもらいたい」
-Jリーガーとしては清水でデビュー
「当時は大榎克己さんとか、すごい選手ばかり。今考えると恵まれていますよ、一流の中でサッカーができたのだから。当時は刺激になり、今でも励みになっていますね」
◆杉山学(すぎやま・まなぶ)1968年(昭43)7月24日生まれ、静岡県出身。静岡北高から国士舘大に進み、91年に清水に入団。その後、NEC山形(現J2山形)を経て96年にJ1新潟の前身アルビレオ新潟に移籍。98年のシーズンを最後に引退。99年から新潟の下部組織、02年からはJAPANサッカーカレッジで指導に当たり、03年に新潟経営大の監督に就任。20年に部長。大学の教え子にはG大阪のGK東口順昭、広島のDF新井直人、J2冨山のDF濱託巳らがいる。専門は体育学。15年から経営情報学部スポーツマネジメント学科教授、23年5月に副学長、25年8月1日に学長に就任した。