ダルビッシュが夫人誕生日に勝利「良い投球できないと恥ずかしい」ネクストにいる大谷翔平と駆け引き
<パドレス2-1ドジャース>◇22日(日本時間23日)◇ペトコパーク
【サンディエゴ(米カリフォルニア州)22日(日本時間23日)=斎藤庸裕】パドレスのダルビッシュ有投手(39)が、地区優勝を争うライバルとの3連戦の初戦で力投し、今季3勝目を挙げた。6回74球、1安打1失点で5奪三振。「1番DH」で出場したドジャース大谷翔平投手(31)を2打数無安打に封じ、流れを渡さなかった。先週末、敵地に乗り込んだド軍との3連戦は3連敗。本拠地に場所を移して迎えた首位攻防シリーズで先勝し、再び同率首位に並んだ。
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ダルビッシュは、プレーボール前から戦っていた。大谷とは公式戦で4度目の対決。手の内は互いに理解している。第1打席、スライダー系で変化に差をつけながらスプリットで目線を下げ、高めに速球を交えた。「どういう球で、どういうカウントでどこに打ってるかも大体分かっているので、それをやっぱり(相手は)打ちたいと思いますし。だから、本人が打てないところもちらつかせながら、打てる球をちらつかせながら」。5球種を駆使し、一ゴロに抑えた。
先手を打っていた。本拠地の大歓声とともに上がった先発マウンド。投球練習で腕を振りながら、三塁側のネクストバッタースサークル付近でスイングを行う大谷が視界に入る。「大谷君はやっぱり目がいいですし、1回見た球は覚えている。ウオーミングアップの時もちゃんと僕が何を投げるかを見て、カーブにちゃんとタイミング合わせて振ったり、そういうこともしてるのは見ていたので」。工夫をこらす準備は、1球目の前に完了していた。
2ー1の6回1死、第3打席では配球を一変させた。「フォアボールでもいいっていうような配球を、ちょっと申し訳ないですけど、大谷君には。でも、そうしました」。スプリットを3球続けた後、3球連続のカーブで攻めた。結果的に四球となったが、続くベッツを三ゴロ併殺に打ち取り、「あそこで2球でゲッツー取れたのは本当に一番大きかった」。腕の角度を下げ、変化量が増した内角ツーシームで狙い通りにゴロを打たせる。日米通算206勝。修羅場をくぐってきた熟練の投球術が光った。
16日に39歳を迎えてから初勝利。この日の登板は、聖子夫人の誕生日でもあった。「妻も一番下の息子も同じ誕生日で、今日も見に来てくれてるので。それでいいピッチングできなかったら、ちょっと恥ずかしいなと。結果的にいいピッチングができて良かった」。本拠地で迎えた首位攻防3連戦。大事な初戦で粘り勝ち、チームも家族も笑顔にさせる1勝を届けた。