ヤクルト対阪神 先発し力投する阪神高橋(撮影・鈴木みどり)

<ヤクルト1-3阪神>◇22日◇神宮

阪神高橋遥人投手(29)が三振を奪うたびに、東都の虎党は大歓声を送った。6回1死走者なしから、ヤクルト2番伊藤へ129キロスライダー。ボールは右打者の内角低めへ大きく曲がり、バットは空をきって、相手打者は体勢を崩した。この日10個目の三振。度重なる手術やリハビリを乗り越え、投げる度に調子はどんどん上がっている。

「どの球種でもストライクがとれて、全体的にいい投球ができた」

約4年ぶりの敵地・神宮で、奪三振ショーを披露した。初回から先頭増田を空振り三振、続く伊藤を見逃し三振と、2者連続三振の好スタート。6回まで投げ、奪った三振の数は11にのぼった。今季初で、22年のトミー・ジョン手術後も初めてとなる、2ケタ奪三振。「ストレートの感覚も良く、相手が嫌がっているのも感じた。ツーシームや変化球を有効的に使うことができ三振も増えたのかな」と振り返った。

持ち前の制球力も光っていた。登板3試合連続の無四死球。3ボールまでいったのは、初回先頭増田の打席の1度のみだった。「ランナーをためないで投げられた」。ボール球が少なく、四死球で走者を出さず、6回わずか76球。1イニングの平均が約12・7球の、省エネ投球だった。

昨年11月の「左尺骨短縮術後に対する骨内異物(プレート)除去術」を経て、7月に1軍復帰した今季。先発5試合で2勝負けなし、防御率1・47と頼もしい姿を見せ続けている。4回は村上に今季初被弾の左中間への先制ソロを浴びたが、被安打3は6回以上投げた中で最少タイ。「ちょっとずつ上がってきていると思うので続けていければいい」。最高でも2失点と好投が続いているが、まだまだこれからだ。

ヤクルト戦約6年ぶりの勝利はお預けも、約4年ぶりの対戦で、先制の1点のみの最少失点で抑えて勝利に貢献。V奪回のキーマンが、期待通りに躍動している。【塚本光】

▽阪神桐敷(9回に無死一塁を招くも、捕手坂本の盗塁阻止などもあり無失点)「誠志郎さんにも助けられましたし、クマさん(熊谷)にも助けられました」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】勝利つかずも…高橋遥人が奪三振ショー「ストレートの感覚いい」6回わずか76球で11K