【高校野球】現場のホンネ…「朝夕2部制」来春「DH制」各監督好意的も反対意見根強い「7回制」
変わりゆく高校野球、現場の本音は-。第107回全国高校野球選手権は史上初の午後4時スタートの開会式を皮切りに、時代の変化に合わせて進化を遂げた姿を見せた。暑さ対策のために拡大した「朝夕2部制」、来春センバツから導入される「DH制」については、各監督から好意的な意見が挙がった一方で、検討中の「7イニング制」には反対が強く、複雑な心境を表す声が目立った。
6日間(雨天中止の影響で5日間実施)に拡大された朝夕2部制による試合実施については「より選手ファーストの大会になってきた」(山梨学院・吉田洸二監督)「暑さも和らぐし、ナイターでも思った以上にボールも見える。とてもいい制度」(佐賀北・本村祥治監督)など歓迎の声が相次いだ。第4日第4試合の綾羽-高知中央は、史上最遅となる午後10時46分に試合終了。夜の部ついて「人生最高の夜更かし」(仙台育英・須江航監督)と前向きに捉えていた。
DH制には「投手のケガリスクを減らせる」(健大高崎・青柳博文監督)という声が目立った。打撃特化型の選手の活躍する機会が増えるメリットも。関東第一の米沢貴光監督は、社会人時代に肩を痛めて1シーズン通してDH起用だった経験を踏まえ「あれがなかったら、野球をするのがつらかった。野球をやりたいと思う子たちを増やすきっかけになる」と期待した。
ここまでは高校野球の改革を肯定的に捉える意見が多かったが、来月開催される国民スポーツ大会(滋賀)で試験的に導入される7イニング制には「やめてほしい。7イニングなら野球を見ない」(開星・野々村直通監督)と、反対意見が根強い。沖縄尚学・比嘉公也監督のように「現場としては決まったことに対応していくしかない」と受け止めながらも、「0-0で3回から始まる感覚で臨まないと、エンジンが入らないんじゃないか」(県岐阜商・藤井潤作監督)と戦い方を模索する指導者が多い印象だった。【平山連】