沖縄尚学対山梨学院 山梨学院先発の菰田(撮影・西尾就之)

<全国高校野球選手権:沖縄尚学5-4山梨学院>◇21日◇準決勝◇甲子園

山梨学院は沖縄尚学との接戦に敗れ、山梨県勢初の決勝進出はならなかった。

大会を沸かせた大型「二刀流」の目に涙がにじんだ。最速152キロ右腕の菰田陽生投手(2年)は「3年生たちと、もう1回一緒にやりたかった」と悔しさがこぼれた。初戦から全4試合で先発を務めたが、最後は1イニングにとどまり1回1失点。投打両面での活躍で4強入りの原動力となったが、夏では初の決勝進出を占う大一番で役割を果たせず責任を痛感した。

もともと5イニング程度投げる予定だったが、初回に右肘を痛めるアクシデントが起きた。初回2死二塁から宜野座恵夢捕手(3年)に投じた2球目が暴投となり、吉田洸二監督(56)は「指先を気にする様子なんて、今までなかったのに」と違和感を察知。エースの状態を確認すると「肘を痛めた」と想定外の事態に襲われ、2回以降は一塁守備への起用に切り替えた。

試合前まで打率5割4分5厘、チーム最多の6打点だったが、この日は6回先頭での二塁打1本のみ。「自分の実力不足です」と言葉を振り絞った。同学年の檜垣瑠輝斗投手と同じく、甲子園の土は持ち帰らなかった。「あと2回チャンスがある。3年生の借りを返したい」。山梨に戻って、また一から鍛え直す。【平山連】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】“二刀流”山梨学院・菰田陽生「肘を痛め」涙「3年生の借り返したい」土は持ち帰らず