大谷翔平が今季初黒星、打球直撃など悪い流れハマった…守備&盗塁で「らしからぬ」凡ミス「反省」
<ロッキーズ8-3ドジャース>◇20日(日本時間21日)◇クアーズフィールド
【デンバー(米コロラド州)20日(日本時間21日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(31)はメジャー出場1000試合目を白星で飾れなかった。「1番投手兼DH」で出場。投手として4回を投げ、自己ワーストタイの9安打で今季ワースト5失点と打ち込まれ、今季初黒星を喫した。投手としての黒星は23年7月15日アストロズ戦以来768日ぶり。4回には右太ももに打球を受けたものの、その後も続投。8回に代打を送られ、途中交代した。21日(同22日)は、当初の予定通り休養予定。22日(同23日)のパドレス戦には出場する見込みとなった。
◇ ◇ ◇
最後まで悪い流れは変わることなく、大谷の1日が終わった。2回、詰まった安打などで、2点を先制された。4回には4連打後、8番アルシアのライナーが右太ももを直撃。適時内野安打となった。端正な顔をしかめ、しばし試合が中断したものの、大事にはいたらず、続投した。
それでも、負のベクトルは変わらなかった。1死一、三塁から注文通りの投ゴロに仕留めたものの、大谷は併殺を狙わず、飛び出した三塁走者を追った。通常であれば、「投-二-一」の併殺でイニング終了のはずだった。走者が残った後、適時打を浴びて5失点目。打球直撃の影響があった可能性もあるが、大谷らしからぬ凡ミスだった。
試合後、患部のケアを終えた大谷は、いつものように日米報道陣の前に立ち、背筋を伸ばして言った。「今の段階では大丈夫じゃないかとは思っています。膝ではなかったので、最悪のシチュエーションではなかったと思います」。
標高1600メートルの同地は、打球が飛びやすいだけでなく、ボールの変化量も異なり、投手にとっては厄介な難所。公式戦初登板の大谷も覚悟の上だった。序盤から速球がカット回転するため、縦変化のスライダー、スイーパーを多投したものの、イメージ通りには操れなかった。「ボールが動かないのはしっかり理解しながらマウンドには上がってるので。もちろん言い訳にはならないかなと思います」。打者としても初回、二塁打で出塁した直後、2番スミスの二ゴロで三塁へスタートを切れなかった。ハーフライナー気味だったとはいえ、こちらも「らしからぬ」判断ミスだった。
「ユニコーン」の異名を取る大谷とはいえ、悪い流れにハマる時もあれば、ミスもする。「次に投げる機会があった時に、今日の経験をしっかり生かせるように、まずしっかりと反省したいなと思ってます」。確かに、反省点は残った。その一方で、打撲が軽症だったことを、むしろプラスに捉えているに違いない。
○…8回、大谷に代打を送った理由をロバーツ監督は「幸運にも(打球が当たったのは)ヒザではなかったが、(太ももが)硬くなり始めていたので交代させた。試合が進めばより硬くなる」と話した。投球内容については「今日はベストの球ではなかった。速球はいつものようではなかったし、変化球もシャープではなかった」と振り返った。大谷は当初からナイター後のデーゲームとなる21日は休養予定だった。同監督は「明日は休み。(22日は)大丈夫だろう」と話した。
▼ドジャース大谷はメジャー通算1000試合出場を達成。日本人ではイチロー(2653)松井秀喜(1236)に次いで3人目。投手としては96試合に出場している。投手では今季10試合目の登板で初黒星。23年7月14日以来、通算20敗目を喫した。被安打9は21年9月10日アストロズ戦以来の2度目のワーストタイ記録。5失点は今季ワースト。
▼大谷は初回先頭打者で右翼線に二塁打。MLBのラングス記者によると1900年以降、先発投手が初回先頭打者で長打を放ったのは大谷しかおらず、21年8月12日の二塁打、25年8月13日の三塁打に次いで3本目。