【阪神】伊原陵人、今季6敗目もプロ入り最多111球「2回以降はリズムが」復調気配6回2失点
<阪神1-2中日>◇20日◇京セラドーム大阪
阪神先発の伊原陵人投手(25)は、フライが上がった瞬間にほえた。降板直前の6回2死一、二塁。右打者の中日石伊の内角高めへ、143キロ直球を投じた。直球の球速は130キロ台が多くなっていた中、力を込めた111球目。一邪飛に抑えマウンドを降りた。「打たれてはいけない場面は絶対ある。力を入れたり、強弱をつけながらやっていく必要がある」。自身5連敗で8戦勝ちなしだが、プロ入り最多111球、6回7安打2失点と粘った。
初回はブライト、田中、岡林に3連打を浴び、試合開始から4分で失点。さらに適時内野安打で1点を追加された。初回に先制を許すのは登板3試合連続だ。「チームに流れを持ってこられなかった。先発として立ち上がりが大事。最近続いている」と反省。いきなり2点を失うも、その後は粘りを見せた。3回に2死二、三塁などピンチの場面もあったが、2回以降は相手に得点を許さなかった。
前回登板の7日中日戦から改善した。同戦は初回に1点先制され、そこから2回も1失点、3回は一気に3点を奪われるなど、4回5失点(自責2)で降板した。開幕後最長の中12日で登板。コンディションの調整などを行い臨んだ一戦で、同じ相手に今度は粘った。「低いところにしっかり集めて、打たせてとることを意識して、2回以降はリズムが出てきた」。6月8日オリックス戦以来の白星は逃すも、5試合ぶりにクオリティースタート(6回以上自責3以下)を記録だ。
今季6敗目を喫したが、それでも111球の粘りの投球に復調の気配が漂う。藤川監督は「しっかり投げ切れたし良かった。いいところまで戻ってきたなと思いますね」とうなずいた。伊原も「今まで投げた分も全部、次の試合に生かしていけるように」と前を向く。次こそはチームも自分も、勝ち星を増やす。【塚本光】