ロバーツ監督 大谷翔平の弾丸44号に半ばあきれ気味に苦笑「スペシャルな才能がある」
<ロッキーズ-ドジャース>◇19日(日本時間20日)◇クアーズフィールド
【デンバー(米コロラド州)19日(日本時間20日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(31)が、ロッキーズ戦で6試合ぶりとなる弾丸ライナーの44号を放った。チームも貧打に泣いた前夜のサヨナラ負けから一転、12試合ぶりとなる2桁得点で快勝。地区首位の座をがっちりとキープした。大谷は20日(同21日午前9時40分開始予定)に、今季初勝利と「二刀流」の完全復活をかけて先発マウンドに上がる。
◇ ◇ ◇
二塁手頭上を襲った高速の打球が、さらに加速するかのように勢いを増して右中間フェンスを越え、ロ軍ブルペンへ突き刺さった。2回2死。3点をリードし、ド軍が主導権を握った時点で、大谷にためらう理由はなかった。内角低めの146キロの直球は、大谷の愛用バットを介して、角度19度、打球速度約187キロの超低空ライナーとなってフィールド外へ消えた。ロバーツ監督が「印象的だった」と半ばあきれ気味に苦笑するほど、衝撃的なひと振りだった。
試合展開上、勝敗を決めたわけではない。ただ、サヨナラ負けした前夜のムードを払拭するには十分の1発だった。前日のように中盤まで僅差で進めば、最下位相手でも、流れは最後まで分からない。昨季世界一ド軍の看板、大谷の豪快弾は、平均年齢24・6歳の若いロ軍野手陣を力でねじ伏せる上で、意義のある本塁打だった。
王者らしい、本来の力を取り戻したド軍は、今季デビュー組4人を含むフレッシュなロ軍を圧倒した。3回に3点を加え、序盤で7点をリード。中盤に反撃されたものの、終わってみれば先発全員の18安打、5日以来12試合ぶりの2桁得点で快勝した。前夜は怒りを込めた嘆き節を並べたロバーツ監督も、さすがにすこぶる上機嫌だった。移籍後初アーチを含む4安打のコールをはじめ、フリーマン、スミス、T・ヘルナンデスら殊勲者の名前を列挙。「今夜は、全体としてすごく喜ばしかった。(昨夜とは)違うチームのようだった」と笑顔のオンパレードだった。
主力のマンシー、エドマンらを故障で欠き、依然として万全ではない中、フル回転を続ける大谷は、この日の2得点を加えてメジャーぶっちぎりの120得点に到達した。同監督は、あらためて口調を強めた。「ショウヘイにはスペシャルな才能がある。試合は失点を防ぎ、得点をするもの。ショウヘイが出塁し、得点することが、どれほどチームにためになっていることか」。得点王、本塁打リーグトップタイの大谷が、豪快アーチの翌日に先発する事実は、たとえ何度繰り返されても「スペシャル」であることに変わりはない。