日本ハム対オリックス 9回裏、サヨナラ打を放った野村(右)を出迎える新庄監督(撮影・黒川智章)

<日本ハム6-5オリックス>◇19日◇エスコンF

日本ハム野村佑希内野手(25)が、劇的なサヨナラ打でチームを救った。

2点を追う9回2死満塁で打席がまわると、低めの変化球をとらえて右中間を破る走者一掃のサヨナラ適時二塁打。今季4戦全勝だったルーフオープンゲームは5戦目も土壇場で逆転勝ち。貯金を今季最多タイの「23」とし、首位ソフトバンクとのゲーム差は3のまま踏みとどまった。

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あまりの興奮に、野村は頭が真っ白になった。「サヨナラだっけ…って、みんなが(ベンチから)出てくるのを見て自覚しました」。2点を追う9回2死満塁。オリックス・マチャドの2球目、低め変化球をとらえ、右中間を破る走者一掃のサヨナラ適時二塁打。チームメートの手荒い祝福に「最高っすね。ホント」と笑みがはじけた。

9回は1番水谷からの攻撃だった。6番の野村は「数えて…(まわってくるなら)2死満塁だな、これ」と、明確にシミュレーションして「待ってました」。初球は同じ低めの変化球を三塁方向へのファウル。「引っ張りはダメ」と冷静に切り替えて「右中間はイメージしました」。思い描いた通りの打球が芝生で弾んだ。

左脇腹の肉離れで離脱するまで、開幕から4番を任された。そのときから新庄監督に厳命されていたのが「二塁打王司令」。極限の場面で忠実に仕事を果たし、新庄監督も「僕との約束通り、最後ツーベースでサヨナラヒット。うれしいっすね」と大興奮。野村も「自分の調子のバロメーターの1つ。そういう意識づけをしてくれたボスのおかげ」と感謝した。

3位オリックス、首位ソフトバンクと続く大事な本拠地6連戦の初戦を、最高の形で取った。野村は「こういう順位で戦えてるっていうことはすごく幸せ。幸せに感じながら野球やってます」。今季5戦全勝となったルーフオープンゲーム。北海道の星空の下で感じる風が心地よかった。【本間翼】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】“二塁打王司令”野村佑希がサヨナラ打「ボスのおかげ」新庄監督「僕との約束通り」