巨人対阪神 ヒーローインタビューを終えファンにあいさつする阪神高寺(撮影・滝沢徹郎)

<巨人1-3阪神>◇17日◇東京ドーム

阪神高寺望夢内野手(22)が左手の拳を突き上げた。先制のチャンスでプロ初の決勝打。右手にバットを持ったまま、喜びを爆発させ走り出した。「すみません…。2アウトで得点圏。打ちたいと思っていたら打てたので、思わずつい、しちゃいました」と照れ気味。相手右翼手がボールを後ろにそらし、三塁まで全力疾走した。

「大事なところで1本打てて良かった。追い込まれていたので、なんとか食らいついていこうと」

「6番左翼」で2試合ぶりの先発出場。4回2死一、三塁で打席に入った。2ボールから2球見逃して、カウント2-2。巨人先発赤星の低め133キロフォークをうまく拾った。「1打席目に見ていたので、しっかりイメージして打つことができた」。先制の右前適時打。失策も絡み2点が入った。続く坂本の適時打で3点目の本塁を踏んだ。

高卒5年目の若虎は今月14試合中10試合に出場。うち8試合でスタメンに名を連ねている。月間打率は、10試合以上に出場する中ではチームトップの3割7分9厘と好調だ。「1打席1打席大切に、と思ってやっています」と力を込めた。

今季はプロ初の開幕1軍入りで4月末に2軍降格も、5月上旬に昇格。プロ初本塁打も放ったが、その後は下降気味になりベンチスタートが続いた。その中での結果を残したい貴重な打席。「焦りはありますけど、できるだけ考えないようにしています」と平常心を意識した。

藤川監督は高寺ら若手について「日々良かったり、悪かったり、若者だなと。今は修行中じゃないですか」とハッパをかける。本人も「しっかり続けていけるように頑張りたい。自信をつけていきたい」と決意。前日16日は中川が左翼スタメンで3安打。若虎のアピール合戦が推進力になる。【塚本光】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】高寺望夢、プロ初決勝打で喜び爆発「思わずつい…」貴重な1打席であえて消した「焦り」