【甲子園】沖縄尚学左腕・末吉良丞、2年生で高校日本代表有力 愛称「ポポ」はドラゴンボールから
<全国高校野球選手権:沖縄尚学5-3仙台育英>◇17日◇3回戦◇甲子園
世代NO・1左腕の証明だ。沖縄尚学・末吉の高校日本代表入りが、有力視されていることが分かった。現在2年生ではあるが、15年に早実(東京)の清宮幸太郎内野手(日本ハム)が1年生で選出されたように、25年最強ジャパンを編成する上で150キロ左腕の名前が浮上した。
その真価を証明する自己最多169球の熱投だった。仙台育英・吉川との投げ合いで「絶対に先にマウンドを降りない。絶対に投げ負けない」と力を振り絞った。延長タイブレークに突入した10回。先攻で、1点も取れなかった。1点もやれない裏の無死一、二塁の守備で、相手の代打が狙ったスリーバントをスライダーで阻止。そこから安打で1死満塁となり、ボールが先行しても動じなかった。スライダーで一直に打ち取り、併殺に打ち取った。2点を勝ち越した11回裏も二塁・比嘉の好守もあって無失点で切り抜けた。
2回戦で横浜(神奈川)に惜敗したセンバツ後。比嘉公也監督(44)と投手陣で大会を振り返り、横浜と比べて「全国で戦える球がない。空振りを取れる球を作って投球の幅を広げよう」と確認し合った。末吉の場合はスライダーとチェンジアップ。仙台育英との激戦で、自分のものにした宝刀に支えられ、学校初の夏3勝と甲子園30勝をつかんだ。
チームメートから「ポポ」と呼ばれる。人気漫画「ドラゴンボール」のキャラクター、ミスター・ポポが由来。愛らしいずんぐりな体形で、神様の付き人だ。「チームの目標だった甲子園30勝を達成できた。その先にある夏の頂点も見えてくる。夏のてっぺんをとれるように頑張っていこうと思います」。無敵の投球で道を切り開いていく。【堀まどか】
◆末吉良丞◆ すえよし・りょうすけ。2008年(平20)11月18日生まれ、沖縄県浦添市出身。小学2年で野球を始め、仲西中では軟式野球部でプレー。沖縄尚学では1年夏からベンチ入り。最速150キロ。遠投110メートル。175センチ、89キロ。胸囲100センチ。左投げ左打ち。
▽沖縄尚学・比嘉公也監督(44)「末吉に尽きるかなと思います。後ろを支えている3年生がベンチで励まして、絶対できるという声があった。最終的には3年生の力かなと思います」