久保建英、開幕弾でW杯イヤー幸先良いスタート レアル・ソシエダードは敵地でドロー発進
<スペインリーグ:バレンシア1-1Rソシエダード>◇16日(日本時間17日)◇第1節◇バレンシア
【バレンシア=高橋智行通信員】日本代表MF久保建英(24)の所属するレアル・ソシエダードは、敵地でバレンシアとの開幕戦に1-1で引き分けた。久保は今季初ゴールを挙げた。
キックオフ時点で気温33度と暑さが厳しい中で「ラ・レアル」のシーズンが始まった。昨季11位に沈み、6季ぶりに欧州カップ戦の出場権を逃し、Bチームを率いていたセルヒオ・フランシスコを新監督に据えた初陣。アーセナルに移籍したスビメンディの後継者ゴロチャテギをけがで欠く中、昨季と同じ4-3-3の布陣で臨んだ。
序盤はバレンシアが主導権を握るも、時間の経過とともにRソシエダードがボール支配率を高めていく。前半12分にブライス・メンデスが最初の決定機を得たが、左下隅を突いたミドルシュートは惜しくも相手GKアギレサバラにファインセーブされた。
Rソシエダードは続く同25分、久保がペナルティーエリア内で粘り強くボールをキープしてゴール正面にパスを送るが、バレネチェアのシュートは惜しくも枠を捉えられなかった。
バレンシアは前半半ば過ぎから後方でパスをつないで主導権を取り戻すが、クロスの精度を欠き、前線のウーゴ・ドゥーロやラバにうまく合わせられなかった。
前半は最終的にバレンシアがボール支配率で上回るも、枠内シュートは両チーム合わせ、ブライス・メンデスの1本のみと好機をつくり出せない展開となった。
0-0で迎えた後半は、よりオープンな展開になる。Rソシエダードは開始直後、ドリブルを仕掛けた久保が、ペナルティーエリア手前でファウルを受けてFKを獲得。これを自らゴールを狙うが、シュートは枠上を大きく越えていった。
その後はバレンシアがボールをキープ。同12分にラバの正確なロングパスに反応し、DF裏にうまく抜け出したディエゴ・ロペスがゴール前で合わせ、待望の先制点をチームにもたらせた。
しかし、Rソシエダードはこの失点に落ち込むことなくすぐさま反撃する。15分にペナルティーエリア手前でブライス・メンデスからパスを受けた久保が左足を振り抜き、すぐさま同点に追いついた。
両チームはその後、暑さの影響を受けたため、次々と選手交代を行い、チームをリフレッシュしていった。Rソシエダードは同25分、投入したばかりのオスカルソンにGKとの1対1の決定機が訪れたが失敗。バレンシアはその直後、右サイドのクロスをコペテがゴール前で合わせたが枠に飛ばせなかった。
お互いに決勝点を目指す中、Rソシエダードは同42分にオヤルサバルがシュートを打つが、アギレサバラにキャッチされ、決勝点を奪えなかった。決め手を欠き、試合は1-1の引き分けで終了した。
久保は、前半立ち上がりからピッチを広く動き回って左サイドにまで顔を出し、守備では前線からプレスをかけていく。序盤は相手キャプテンのガヤの厳しいマークに苦しめられたが、徐々に持ち味を発揮していった。
同25分にペナルティーエリア内でうまくボールをキープし、ゴール正面にパスを送るが、バレネチェアのシュートは枠外。続く27分、ボールを受けた際にファウルを受け、ガヤのイエローカードを誘発した。
前半はうまくボールを呼び込めなかった一方で、後半は躍動する。後半開始直後ににドリブルを仕掛けてゴールに迫り、ペナルティーエリア手前でガヤに倒されFKを獲得。自らゴールを狙うが、シュートは枠上を大きく越えていった。
チームが先制点を許した直後の15分、味方からペナルティーエリア手前でパスを受けると、ワンタッチで相手をずらして左足を振り抜き、強烈なミドルシュートで同点弾を記録した。このゴールはRソシエダードでの4シーズンで3度目の開幕弾となった。
さらに久保は32分にもペナルティーエリア内から左足でゴールを狙うが枠を捉えられず、35分に新戦力のゲデスと交代した。
チームは勝てなかったが、久保自身はワールドカップイヤーで幸先の良いスタートを切ることに成功した。
Rソシエダードは24日にホームで行われる次節で、エスパニョールと対戦する。