大谷翔平が豪快珍事の三重殺、9回に勝ち越し43号も空砲 打撃好調のまま2年ぶり古巣マウンドへ
<エンゼルス7-6ドジャース>◇12日(日本時間13日)◇エンゼルスタジアム
【アナハイム(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、豪快な珍事を起こした。「1番DH」で出場し、6回の第4打席で遊直に倒れ、これがトリプルプレーにつながった。同点の9回には、一時勝ち越しとなる43号本塁打をマーク。4戦連発で自軍ベンチを勢いづけたが、チームは延長10回にサヨナラ負け。パドレスとゲーム差なしの首位に並ばれた。13日(同14日)は大谷がエンゼルスタジアムで2年ぶりの二刀流を披露。マイク・トラウト外野手(34)ら盟友との対決が注目される。
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大谷は高ぶる気持ちを抑えることなく、一気に解放した。5ー5の9回無死、21登板連続で無失点だったエ軍の絶対的守護神ジャンセンと対戦。1ボールから甘く入ったカットボールを、渾身(こんしん)のフルスイングで打ち砕いた。チケット完売、4万4741人で埋まったエンゼルスタジアム。総立ちの両軍ファンを背に、右翼に上がった打球速度114・8マイル(約185キロ)の強烈なアーチを見上げた。派手なバットフリップと気迫の雄たけび。感情があふれ出た。
それもそのはず、自らのバットで絶好機を逸していた。6回無死一、二塁の第4打席で投手の頭上を越えるライナーを放った。これを遊撃手ネトが捕球し、素早い動きで二塁ベースを踏んでから一塁手へ送球。一走のラッシングもタッチアウトとなった。あっという間のトリプルプレーに、大谷はその場で立ち尽くすしかなかった。それでも、9回の本塁打で挽回。結果的にサヨナラ負けで空砲となったが、屈しない粘り強さは健在だった。
8月に入って全試合、11試合連続安打で、早くも5本塁打をマークした。アーチ量産だけでなく、シーズン終盤にさしかかり、盗塁の企画数も増加。二刀流で体への負担がかかる中で全力プレーを心がける姿に、ロバーツ監督は「チームのために、積極的に動いて得点のチャンスをつくろうとしていると思う。私が見てきた中で、最も準備にこだわる選手の1人。何が出来て、何を出来ないか、そのバランスをうまく把握している」とたたえた。
この日の1発にも、勝ちに貪欲な姿勢が表れていた。9回、無死から長打なら得点の確率が高まる。甘い球を狙ったフルスイングが、最高の結果につながった。一方で、チームは踏ん張れず、前カードから3連敗。パドレスとゲーム差なしの首位に並ばれ、ロバーツ監督は「今日はいいこともあったが、もっとしっかり野球をしないといけない」と気を引き締めた。エンゼルス3連戦の3戦目は大谷が先発。打撃絶好調で勢いづく二刀流が、2年ぶりに古巣のマウンドに上がる。