創成館対神村学園 創成館先発の奥田(撮影・小島史椰)

<全国高校野球選手権:創成館1-0神村学園>◇13日◇2回戦◇甲子園

創成館が「絆リレー」で、神村学園との九州勢対決を制した。

先発したサイド右腕、奥田晴也投手(3年)が6回を無安打投球。130キロ台の直球に、スライダーを織り交ぜて全国屈指の強力打線を手玉に取った。計4四死球も、徹底して低めに集めて1安打も許さず。「自分の役割を果たせた」。今夏初先発も、気負いはなかった。捕手のミットをめがけ、無心で腕を振った。

後を受けた最速149キロエース森下翔太投手(3年)も、奥田の熱投に応えた。7回から2番手で登板。1死から初安打となる中前打を許したが、後続をきっちり抑えた。8回、9回には味方の好守備にも助けられ、計3回を2安打無失点。勝利のたすきをつなぎ、鮮やかな2安打完封リレーだ。奥田が「さすが、エース」と言えば。森下も「奥田に負けないピッチングをしようと」と刺激を受けた。試合後は笑顔でハイタッチした。

立場が逆転した。春までエースは奥田だった。ただ、春先から森下が急成長。部員104人、投手だけで約30人を超える。実力主義なだけに、最後の夏は慣れ親しんだ「1番」を譲った。2人は「ライバル関係」と口をそろえる。普段から“投球談義”を交わし、意見交換するほどの仲良し。冬場は同校に近い久山年神社の横にある山で徹底的に走り込んだ。常にお互いを意識し合い、高め合った。

2年ぶりの夏16強入りを決め、1大会で聖地2勝は同校史上初の快挙だ。「与えられた場所で強気に投げていきたい」と奥田。森下も「自分も強い気持ちで」。チームの勝利のためにも、2人がマウンド上で意地を見せる。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】創成館・奥田晴也→森下翔太「絆リレー」で九州勢対決制す 試合後は笑顔でハイタッチ