新潟FWアブデルラフマン・ブーダ・サイディ(2025年7月27日撮影)

J1アルビレックス新潟の新加入FWブーダ(25)が実力の片りんを見せた。1-3で逆転負けした11日のC大阪戦。クラブワーストタイの6連敗を喫した中、唯一の光明か。スウェーデンから来日して間もないFWはフル出場し、走行距離がチーム1位の11・001キロ。右へ左へ走り、最前線で攻撃の起点になった。

新潟はセンターバック2人がこれまで以上にロングボールを多用した。それにブーダが走って相手の背後を狙った。序盤は最終ラインを高く設定したことで陣形がコンパクト。この布陣なら、こぼれ球を回収して2次攻撃につなげることができる。そうして前半2分、DF堀米の先制点となって実を結んだ。

だが、同13分にGK藤田のミスで同点に追い付かれると、相手も勢いを増し、新潟の陣形は徐々に間延び。ブーダのサポートに走る選手が少なくなり、こぼれ球も拾えなくなる悪循環。何とか耐えていたものの、その状況で出したロングボールがはね返され、カウンターを食らって逆転された。

それでも後半44分、ブーダはDF橋本の浅い位置からの左クロスをヘッドで合わせるなど空中戦の強さも示した。前半はあまり見られなかった形。後半からは186センチの新加入FWへのクロス攻撃で好機をつくった。

今後、ブーダへのマークは厳しくなるはず。日本特有の暑さの中、比較的涼しいスウェーデンから来日したばかりの外国籍FWが走行距離1位というデータ。周りの日本人アタッカーには、まずは連敗脱出へ、それ以上のハードワークが求められる。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「解析料理」)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【解析料理】新潟、新加入ブーダが走行距離1位 周りの日本選手はそれ以上のハードワーク必要か