釜本邦茂さんの弔問に訪れた日刊スポーツ評論家の永島氏(撮影・上山淳一)

10日に81歳で亡くなった日本サッカー界「史上最高ストライカー」釜本邦茂さんの通夜が12日、大阪府内で営まれた。

この日はJリーグ発足時に選手と監督としてともに戦った、大阪府サッカー協会の永島昭浩会長(61)も参列。世界のストライカーとの思い出を振り返った。

G大阪の初代監督だった釜本さんに、シュートのコツを聞いた時のことが、今も忘れられないという。釜本さんが「簡単や、見ておけ」と6割程度の力でシュートに、度肝を抜かれた。引退後とは思えない正確でスピードのあるシュート。この一撃に衝撃を覚え「精密機械のようで、僕よりもスピードがあって『本当にこんなシュートが打てるんだ』と思った。後にも先にも、あんなシュートは見たことがない」と鮮明に覚えている当時の光景を説明した。

このシュートは「これが世界なんだ」と大きな刺激となり、その後の練習にも力が入った。しかし、どうしても自分のモノにすることはできなかったといい「どうしたらあんなシュートが打てるのかという言葉の部分で、僕が理解できなかったところがあった」と振り返った。それでも世界レベルのシュートを目の当たりにした当時のエースは「少しでも近づければという思いで練習したのを覚えている」と話した。

現在もサッカーに携わる永島氏は、今後も恩師の思いを胸に取り組んでいくことを決意。「釜本さんが世界一を目指した意志をしっかりと引き継いでいきたい。サッカー界の一員として、微力ながら世界一になれるように力になっていきたい」と思いを語った。【永田淳】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 釜本邦茂さん通夜に参列の永島昭浩氏が当時の衝撃を告白「後にも先にもあんなシュートは…」