【甲子園】朝夕2部制は「雨に弱い」と総括 選手たちに時間を気にする精神的重圧かかったと分析
第107回全国高校野球選手権大会の大会本部が9日に終了した「朝夕2部制」について11日、「雨に弱い」と総括した。朝日新聞社の志方浩文高校野球総合センター長は「2部制は雨にすごく弱い。今年は天候不良があって、雨の決断が難しい。5時間半の間に2試合やらないといけない。継続試合をわかって試合を突っ込むのはできない」と課題を挙げた。
今夏は初めて4試合の日に「朝夕2部制」を実施。午前、夕方の部ともに終了時間を決めて、継続試合の可能性も示されていた。結果的に時間による継続試合は発生しなかったが、午後10時46分に終わった第4日第4試合の高知中央-綾羽(滋賀)は、時間が確認できる第35回以降、開始、終了時刻とも最も遅かった。午後4時16分に始まった第3試合が天候不良で67分の中断となったことも影響した。
志方氏は、選手たちに時間を気にする精神的プレッシャーがかかったと分析。「審判がゲームをコントロールして、両校がきびきび攻守交代をしてもらい、試合を早くすることに全員が向かわないと継続試合になってしまう」と思案顔だった。
2部制は当初は6日間の予定だったが、中止で5日間となった。その間、熱中症の疑いは15試合で8件。昨年の第5日終了時よりも12件の減少だった。平均気温が昨年より2度低かった影響もあったとみられるが、「2部制の効果だったという話はあった」と現時点での見解を示した。