日大山形対県岐阜商 5回裏県岐阜商2死二塁、横山は右前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

<全国高校野球選手権:県岐阜商6-3日大山形>◇11日◇1回戦

生まれつき左手の指がない県岐阜商の横山温大外野手(3年)が勝利に貢献した。同点打を含む2安打1打点。右手1本で鋭い打球を連発した。

「7番右翼」で先発出場。0-1の5回1死二塁からチェンジアップを右手1本で振り抜くと、鋭い当たりで一、二塁間を抜けた。「何としても同点に追いつくぞと思っていた。食らいつけたので良かったです」。二塁走者が生還すると、横山は笑顔でガッツポーズ。スタンドからは大歓声が上がった。

7回の第3打席では好反応でアウトにはなったが強烈な投直。8回には外角直球139キロを左前へとクリーンヒットを放った。チーム唯一の2安打に「打てると気持ちいい。自分が打って点を取れてうれしかった」と打撃で勝利に導いた。

右翼守備でも2度の飛球を無難に処理。6回には前進して飛球をキャッチ。二塁手とぶつかりながらも右手にはめたグラブからボールはこぼさなかった。

横山は生まれつき左手の指がない。先天性で原因は不明だが、兄や姉の背中を見て野球を始めた。岐阜大会では打撃好調で甲子園出場に貢献。「こういう体でもできるんだぞと証明していきたいですし、まだまだここから試合もあるので、勇気や希望を与えられるような存在になりたい」と真っすぐ前を向いた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】左手の指がない県岐阜商の横山温大が2安打「勇気や希望を与えられるような存在に」