広陵高校の出場辞退を受け会見で頭を下げる、大会副会長の宝馨・日本高野連会長(左)と大会会長の角田克・朝日新聞社社長(撮影・小島史椰)

野球部内の暴力事案をめぐって広陵(広島)が第107回全国高校野球選手権大会の出場を辞退したことについて、大会会長の角田克・朝日新聞社社長と、副会長の宝馨・日本高等学校野球連盟会長が10日、甲子園球場で会見を行った。一問一答は以下の通り。

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角田氏 皆さま、お忙しい中お集まりくださいまして、誠に恐れ入ります。第107回全国高等学校野球選手権大会の会長を務めております朝日新聞社の角田でございます。本日付で広島代表の広陵高校から今大会への出場辞退の申し出があり、大会本部で受理をいたしました。全国から集まった代表校の選手たちが懸命にプレーを続けている大会中にこのような事態となったことは大変残念でありますけれども、学校のご判断を受け入れさせていただくということにいたしました。選手をはじめ、大会に関わる全ての皆さま、大会を楽しみにしてくださっているファンの皆さまにご心配、ご迷惑をおかけしておりますことを深くおわびを申し上げます。朝日新聞社といたしましても、暴力や暴言、いじめ、部活動での指導者と選手、あるいは選手間の理不尽な上下関係を撲滅していきたいとの姿勢を強く、改めて心に刻み大会運営を行ってまいります。連日熱戦が続いており、大会は中盤に差しかかっております。今後も温かい目で選手たちを応援していただきますよう、何とぞよろしくお願いいたします。皆さまもご存じの通り、SNS上で個人を特定したり、事実かどうかわからないことをもとに誹謗(ひぼう)中傷が繰り返されるような行為については、くれぐれも慎んでいただきますよう、改めてお願いを申し上げる次第でございます。私からは、冒頭としては以上でございます。

宝氏 まず初めに、第107回全国高等学校野球選手権大会に出場しております各代表校を不安にさせている、あるいは心配を与えている件につきまして、学校応援団の皆さん、球場やテレビ、ラジオ、インターネットで観戦していただいてる皆さん、大会に関係する全ての皆さんに対してご迷惑、ご心配をおかけしております。主催者として、日本高等学校野球連盟会長として深くおわび申し上げます。広陵高校は、今回の一連の事態を重く受け止められ、大会出場辞退と決断をされました。野球部については、不祥事件の再発防止、指導体制の抜本的な見直しなどを今後のあり方を検討していくという風におっしゃっています。現在、第三者委員会が調整中の事案も含めて、同校の情報を注視していきたいという風に思います。日本学生野球憲章では、一切の暴力を排除し、いかなる差別も認めないとしております。日本高野連、都道府県高校野球連盟加盟校は、この理念に基づき日々活動しております。今回のような事案をきっかけに、改めて暴力を一切認めない姿勢を全国の加盟校に強く求めていきたいという風に思っております。日本高野連としては、広陵高校が目下報道をされている件への真相究明を進め、誰もが最も納得するような形で本件が解決することを願っています。そして、いま一度、暴力や暴言、いじめなどがない健全な高校野球を追求してまいりたいという風に思います。それから、未成年の高校生の立場をおもんばかることも大変重要だと感じていまして、その面についてもよろしくお願いいたします。

-大会期間中の出場辞退は前代未聞。高校野球のイメージ低下が懸念される

角田氏 おっしゃる懸念はですね。確かにあると思っていますが、多くの高校野球を一生懸命やっている全国の皆さん、ならびに今回の選手権大会で頂点を目指して頑張っていらっしゃる皆さん。多くの皆さまは、こういったことと無縁であるという風に私は確信しておりまして、そういう意味で本質的に高校野球の夏の甲子園の価値、それらの社会的存在意義は、変わらずにあると思っております。

宝氏 今回、暴力事件もありました。この1件のように不祥事が発生してしまう原因はなくしていかないといけない。そして学校のガバナンスっていいますか。野球のガバナンスっていいますか。そういったところも。学校としてやってもらわないといけないですし、我々の方もそういったものがうまくいくようにですね進めていきたい。今回大変残念な事象でしたけれども、学校として1つのけじめのかたちで、辞退を選ばれたのかなと思っております。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】広陵の辞退を受け、角田大会会長「暴力や暴言、いじめを撲滅していきたい」/一問一答