ソフトバンク対日本ハム 完封勝利を飾ったモイネロはダウンズと喜ぶ(撮影・梅根麻紀)

<ソフトバンク1-0日本ハム>◇10日◇みずほペイペイドーム

ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)が新庄ハムを制圧した。9回125球を投げ、散発3安打、13奪三振の熱投で今季2度目のシャットアウト勝利。得点圏に走者を許したのは1度だけ。虎の子の1点を守り抜いた。先発転向2年目も10勝到達し2年連続で2ケタ勝利をマーク。チームは有原、モイネロと2本柱の好投で同カード連勝。首位をがっちりキープしゲーム差を3に広げた。

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リーグトップの破壊力を誇る日本ハム打線もキューバの怪腕の前にはタジタジだった。試合後のインタビューで胸を張った小久保監督の言葉が大きな信頼感を物語っていた。

「(相手先発が)伊藤で、そうは点は取れないというゲームプランだった。ほんとあの1点を守り切る素晴らしいピッチングだったと思います。日本ハム打線を完封するので。全球種よかったと思います」

小久保監督からの最大級の賛辞。その言葉通りモイネロは圧巻の投球だった。初回、先頭五十幡を直球で空振り三振に切りきっちり3者凡退。シーズン前半戦の疲労回復と先発ローテ再編の目的で登録抹消。中11日の先発マウンドもまったく不安はなかった。「ずっと調子はよかったし、今日はコントロールもよかった」とモイネロは涼しい顔で登板を振り返った。150キロ超の直球に、自慢のカーブ、スライダー、チェンジアップ。得意の変化球もしっかり操り8回まで毎回の13奪三振。登板前に警戒する選手名を問われて「シンジョー(監督)」と言って笑わせたが、本拠地では三塁側ベンチはマウンドから背中側で見えない。敵将の鋭い視線を気にする? ことなくスイスイとテンポよく投げ込んだ。2回には先頭四球で2死三塁としたが石井を直球で空振り三振。3回に近藤が先制点をプレゼント。序盤の得点で守りの投球になるどころか、さらに攻めて3回以降は得点圏にすら走者を出さなかった。

キューバから来日中の両親ら家族がスタンドで応援。本拠地初観戦だった母親には完封勝利で最高のプレゼントを贈った。「9回投げられたのはうれしい。今後も続けていきたい」。2年連続で2ケタ勝利に到達。ただ、まだまだ満足はしていない。個人目標を「沢村賞」と言い切る左腕は、さらに勝負の夏に腕を振り続ける。【佐竹英治】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】モイネロ13Kで「シンジョー」完封「全球種よかった」小久保監督絶賛、首位攻防連勝