明豊対市船橋 明豊先発の寺本(撮影・岩下翔太)

<全国高校野球選手権:明豊6-2市船橋>◇9日◇1回戦◇甲子園

明豊が3年ぶりに初戦突破を決めた。エース左腕の寺本悠真投手(3年)が7回6安打1失点。8回は一塁に回って9回に再登板し、無失点で締めた。「ここ2年甲子園で勝っていなかったのでよかった。成長した姿を見せられた」と笑顔で振り返った。

昨年春夏に続き、甲子園のマウンドに立った。だが、同日試合の再登板は初体験だった。4点リードの9回に1死一、二塁のピンチを招き、のみ込まれそうなほどの「市船ソウル」と手拍子でアウェーの空気に包まれた。「今までにない声援だった。球場全体も乗っていた」。それでも、事前に川崎絢平監督(43)から助言をもらい「気持ちを整理できた」と動じなかった。カーブで見逃し三振を奪うと、最後は内角直球で詰まらせ、遊飛に仕留めた。

過去2度は2桁背番号だったが、背番号1で初めての聖地。「自分が引っ張っていく気持ちだった。(ピンチだった)7、9回も0点や最少失点で抑えられるようになった」。自らの成長を実感する登板になった。趣味は6面立体パズル。今大会中も空き時間に全面をそろえる。養った集中力と器用さで、千葉大会1試合平均9・1得点を誇った強力打線を手玉に取った。

大分勢最長の5年連続出場中だが、直近2年は初戦敗退が続いていた。川崎監督は「今年は何が何でも勝ちたいという思い。生徒の頑張りがつながって、うれしく思います」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。2回戦は佐賀北との九州対決。寺本は「応援がすごいと思うけど、自分の投球をしたい」と必勝を期した。【林亮佑】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】明豊エース寺本悠真7回1失点、9回再登板で無失点締め「成長した姿を見せられた」