青藍泰斗対佐賀北 青藍泰斗にサヨナラ勝利し、校歌を斉唱する佐賀北ナイン(撮影・岩下翔太)

<全国高校野球選手権:佐賀北5-4青藍泰斗>◇9日◇1回戦◇甲子園

6年ぶり出場の佐賀北が延長10回、サヨナラスクイズで初戦を突破した。「がばい旋風」と呼ばれた07年の優勝以来の甲子園勝利。選手たちは全力で校歌を歌い上げた。

4-4の延長10回。緩急巧みに踏ん張ってきたエース稲富理人(3年)が最初のタイブレークを無失点に抑え、その裏の1死満塁。1ボールからの2球目に三塁走者がスタート。山下泰槻外野手(2年)がバッテリー間にうまくバントで転がして、接戦に決着をつけた。

山下は「心の準備はできていた。あとは決めるだけと。バントの練習をやってきたので自信はありました。自分が試合を決められたので、とにかく最高な気分でした」と振り返った。

1人で10回、140球を投げ抜いた稲富は延長10回の投球について「1点(あげても)OKだったので絶対に抑えるという気持ちでした。今日は高さとコントロールを意識していました。07年以来の勝利ができてよかった。自分たちがまた新しい風を作っていきたいです」とうれしそうに話した。

本村祥治監督(31)は「接戦で苦しかったけど、粘りの野球を最後まで諦めずやってくれた。甲子園で私は(選手で12年に)勝てなかった。正直、うれしいです。ただそれだけです」と奮闘をねぎらった。

さらに、07年の快進撃が「がばい旋風」といまだ言われていることに「『がばい』は超えられない。『新しい旋風を』と主将を中心に言っています」と、2025年版の佐賀北野球をアピールした。

主将の宮崎淳多内野手(3年)も「今の佐賀北の野球を全国の皆さんの目に焼き付けたい」と宣言した。

◆サヨナラスクイズ 最近では23年夏の智弁学園が英明とのタイブレークで10回裏、1死二、三塁から谷口のスクイズ(記録は内野安打)で7-6の勝利。18年夏には金足農が近江戦の9回裏、無死満塁から9番斎藤の2点スクイズで3-2の逆転サヨナラ勝ち。

◆タイブレーク 青藍泰斗-佐賀北戦で今大会のタイブレークは早くも5度目。18年春のタイブレーク採用後、1大会最多は6度(23年夏、24年夏)。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】佐賀北・本村監督「がばいは超えられない」から「新しい旋風を」07年V以来の聖地勝利