日本ハム対西武 9回表西武無死、左越え本塁打を放つ古賀悠(撮影・黒川智章)

<日本ハム0-2西武>◇7日◇エスコンフィールド

「古賀の34球」も、西武連敗ストップの大きな原動力になった。

古賀悠斗捕手(25)は打率2割前後、スタメンマスクを外れる試合もちょくちょく。「打てないし勝てないし、になるとチャンスも減ってくるので」。危機感を感じながら、打撃では大学4年時にやっていたノーステップにも取り組む。

第1打席、6球で空振り三振。第2打席、10球かけてセンター前ヒット。第3打席、7球かけて四球。いいファウルも飛ばしながら、じわじわと相手バッテリーを削っていく。

「いやもう、自分、後半戦入ってから打率も悪いので…」

やれることを。それがチームを、味方投手陣を助ける。1点を勝ち越し、最終回の第4打席をホームランにした。この日、打席で投じられた34球目を完璧な当たり。「僕としてもうれしかったです」。

2点差に広がり、クローザー平良も楽になった。西口監督も「ほんっとうにあの1発は大きかった」とひと振りをほめた。

捕手としてもエース今井を7回1安打11奪三振の好投に導いた。

7月31日、オリックス戦(京セラドーム大阪)は5回6失点。「大阪終わったあと、部屋で一緒に話しました」。2人で考えに考えながら、この日の成功へ。相手の機動力を封じることにつながった1番五十幡の3三振も、その成果だ。

3打席で計18球を費やしても五十幡の封印は大きかった。4打席で計34球を投げさせて、最後にホームラン…はトライアルの正しさを証明する。

「(スタメンの)チャンス、今は減ってますけど、出た時には自分が、って気持ちでやってますね」

失点を最小限に抑えたい戦い方の西武では、捕手に求められるものも大きい。懸命に食らいついている。【金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【西武】懸命に食らいついた「古賀悠斗の34球」が勝利導く リードでも18球使って難敵3三振