中日対阪神 1回表、登板する中日先発の金丸(撮影・森本幸一)

<中日8-3阪神>◇7日◇バンテリンドーム

中日ドラフト1位金丸夢斗投手(22)が8回3失点でプロ初勝利を挙げた。10度目の先発で阪神打線とは初対戦。2回に中川、4回に佐藤輝にソロを浴びたが、直球を軸に攻めの投球を続け、ようやく勝利をつかんだ。

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勝てなかった中日金丸の心の支えになった言葉は「負けることに慣れるな。慣れても悔しさだけは忘れるな」だった。関大時代の恩師で元阪急の山口高志さん(75)が、プロ初黒星を喫したデビュー戦の5月5日DeNA戦後に金丸に電話で伝えた。6回2失点も味方の援護がなかった。

そこから3カ月、援護がほぼない状況が続いた。未来を予言したかのような山口さんの言葉には「これから何度も同じ相手に投げ、負けることも当然あるが、プロとして悔しさは忘れてはならない」ということを一番に伝えたかった。

山口さんは同じ高校という縁もあり、神港橘時代の金丸を関大に誘い、同校のアドバイザリースタッフとして指導してきた。今ではプロでも少ないワインドアップを勧めたのも、投手としての考え方、メンタル面も教えてきたのも山口さんだ。金丸は常々、山口さんのことを「神様」と言っているが、山口さんは「オレの前では1度もそんなこと口にしたことはない。あれは表向きだけですよ」と笑う。金丸は「山口さんの『負け慣れるな』はしっかり心にとめています」と感謝した。【石橋隆雄】

◆金丸夢斗(かねまる・ゆめと)2003年(平15)2月1日生まれ、神戸市出身。神港橘では甲子園出場なし。関大ではリーグ通算49試合20勝3敗、312奪三振、防御率0・83。3年秋から大学最終登板まで72回連続自責点0。昨年3月、大学生で侍ジャパンに選出され、欧州代表戦に先発。2回をパーフェクト(4奪三振)で6投手の完全リレーにつなげた。昨年ドラフト1位で4球団競合の末、中日入団。177センチ、77キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1600万円。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【とっておきメモ】中日金丸夢斗支えた「負けることに慣れるな」恩師の元阪急山口高志さんの教え