【甲子園】花巻東いきなり大きな壁「チャレンジャー精神で挑む」センバツ準V智弁和歌山と初戦
いきなり大きな壁が立ちはだかる。花巻東(岩手)が今日8日、今春センバツ準Vの智弁和歌山との初戦を迎える。8校中4校が春夏通じての甲子園優勝経験を持つ、激戦必至の「死のブロック」に入った花巻東。ドジャース大谷やエンゼルス菊池を育てた佐々木洋監督(50)が、智弁和歌山への印象や初戦突破へのキーマンを挙げ、意気込みを語った。
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昨年初めて智弁和歌山と練習試合を行い、佐々木監督は「興奮するくらい素晴らしいチームとやらせていただきました」と目を輝かせながら振り返った。小さい頃から甲子園をテレビ観戦し、ユニホームの胸に赤く入った「智辯」の2文字を見て育った。「打撃だけではなくて投手陣もそろっていて、総合力の高い、実績ある(中谷)監督さんの素晴らしいチームだなと思います」と印象を語った。
警戒するのは和歌山大会4度の完封リレーを記録した、盤石の投手陣だ。中でもセンバツ準Vに導いた最速147キロ渡辺颯人と最速152キロ宮口龍斗の2枚看板。「素晴らしいピッチャー相手に連打が期待できないので、長打が必要になる」と佐々木監督。キーマンに挙げたのは古城大翔(だいと)内野手や赤間史弥外野手(ともに2年)、新田光志朗内野手(3年)など一発も期待できる、長打力のある選手たちだ。
特に、巨人古城茂幸内野守備走塁コーチ(49)を父に持つ、1年生から4番に座る古城大翔への期待は大きい。今春センバツでは右上腕肉離れの影響もあり本調子とはほど遠かった。岩手大会では5試合に出場して打率5割2分4厘、9打点をマーク。準々決勝の専大北上戦では8回コールドを決める左越え3ランを放つなど、復調している。
春の県大会初戦で盛岡一に敗れ、夏は18年ぶりのノーシードだった。全6試合中、甲子園出場経験のある5校を破って全国切符を勝ち取った。「(夏は)一戦必勝ということで、先は考えず目の前の試合を戦ってきましたので、スタイルは変えずにいきたいです」と指揮官。「智弁和歌山さんが相手なので、守るではなく、チャレンジャー精神で挑んでいけるかと思います」と意気込んだ。岩手大会をほうふつとさせる「死のブロック」で戦うが、ここからはい上がるのが花巻東だ。【木村有優】