互いに死力を尽くす戦いで、クロアチアが最後の力を振り絞った。2大会連続の決勝を逃して迎えた締めくくりの一戦。疲労は限界に達していたものの「3位で故郷に帰る」と決意を口にしたのはコバチッチ。不屈の闘志は失っていなかった。 開始7分にFKからグバルディオルが頭で押し込んで先制したが、その2分後に追い付かれた。嫌な流れでも、このチームには泥臭さがある。ボールを失ってもすぐに奪い返し、前半42にオルシッチがゴール左からシュート。右ポストにはね返り、ネットを揺らした。 モロッコとは1次リーグ初戦でも当たり、0―0で引き分けた。手の内は分かっている。カウンターが持ち味の相手にある程度ボールを保持させ、中央を固めた。徐々に逃げ切り態勢に持ち込む巧みな試合運び。優勝候補のブラジルも破ったしたたかさで、快進撃を続けてきた難敵を退けた。 旧ユーゴスラビアから独立後、初出場となった1998年大会で3位と躍進。成功を見て育ったモドリッチらが4年前に準優勝を果たし、そこから若手も台頭した。「小国でも大きな成果を上げられると知ってほしい」とダリッチ監督。国民を勇気づけた過去があったからこそ、一つでも上の順位にこだわった。 前回大会後にマンジュキッチら主力が代表を引退。世代交代が進んだが、最後まで粘り強く戦う姿勢は20歳のグバルディオルら新世代の選手に受け継がれている。「このメダルを誇りにしたい。クロアチアの未来につながる」とモドリッチ。今大会の激闘も、将来の糧になるはずだ。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕モロッコに勝ち3位となり、メダルにキスするクロアチアのモドリッチ=17日、ドーハ 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決め、喜ぶクロアチアのグバルディオル(右端)=17日、ドーハ 〔写真説明〕前半、ゴールを決め喜ぶクロアチアのオルシッチ(左)=17日、ドーハ(AFP時事) 〔写真説明〕3位決定戦に勝利し、喜ぶクロアチア代表=17日、ドーハ