カタールでの日本の戦いが終わった。ベスト16の分厚い壁に挑むこと4度目。今回もはね返される形となったが、森保監督は「胸を張って世界で戦える、世界を超えていけることを示してくれた」。確かな手応えをつかんだ7度目のW杯でもあった。 1次リーグで世界を2度も驚かせた。初戦でドイツを2―1で破る歴史的快挙を遂げ、最終戦でも再び劇的な逆転勝利でスペインを撃破。W杯で優勝経験のある欧州2チームを押しのけてE組を首位通過してみせた。 初出場した1998年フランス大会は1次リーグ3戦全敗。育成年代も世界で勝てない時期が続いたが、日本協会は欧州も参考にしながら指導者養成、育成改革に着手した。 堂安や久保らの世代は、育成年代から世界を相手にしてきた。長期的な底上げが実った形で、監督は「選手たちは同じ目線で世界の強豪を見ている」と話す。 前回のロシア大会以降、日本は男女A代表、年代別代表、フットサル、ビーチサッカーと全カテゴリーが世界大会で決勝トーナメントに進んだ。日本協会の田嶋会長は「サッカーに奇跡、マジックはない。全体で地道にやってきたことが、今の日本を築いた」と強調。少しずつでも着実に8強へ前進している。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕PK戦の末にクロアチアに敗れ、肩を落とす日本の選手=5日、アルワクラ