あと一歩のところまで迫りながら、カメルーンは堅守を誇るスイスのゴールをこじ開けられない。攻めで空回りが続くうち、選手の表情には徐々に疲労の色が浮かんでいった。 主導権はカメルーンが先に握った。爆発的なスピードのあるチュポモティング、ムブモらが相手のマークを引きはがし、たびたび好機をつくった。ただ、先制点を許して相手の守備意識が高まると、決定機はぐっと減る。健闘もむなしく、無得点のまま試合終了の笛を聞いた。 これで、W杯での連敗は8に伸びた。最後に挙げた白星は2002年日韓大会のサウジアラビア戦までさかのぼらなければならない。8強入りの経験も持つ「不屈のライオン」は、存在感が薄れつつある。 今年から指揮を執るソング監督は、「過去のチームは十分に組織されていなかった。やることは全てやった」。こう自信を示していたが、他にもブラジル、セルビアと強国が集うG組で、痛い黒星発進となった。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、カメルーンのチュポモティング(左下)のシュートを止めるスイスGKのゾマー(奥)=24日、アルワクラ(AFP時事) 〔写真説明〕後半、カメルーンのチュポモティング(右)と競り合うスイスのエルベディ=24日、アルワクラ