オリックスは零封負けを逃れるのがやっとだった。九回に1点を返す意地は見せたものの、対戦成績は2敗1分けに。敵地神宮で失った流れは、本拠地初戦では取り戻すことができなかった。 相手先発の高橋を攻め切れなかった。一回1死二塁の好機で吉田正、頓宮の3、4番が凡退。四回には先頭吉田正のチーム初安打をきっかけに1死二、三塁としたが、中川圭、杉本が連続三振に倒れた。昨年の第2戦で三塁も踏めずに完封を許した左腕に六回まで封じられ、この日も後手に回った。 第1、2戦で攻撃に決め手を欠き、中嶋監督は「打ち崩すことが難しい中でどうやって1点を取るかが課題になる」と痛感していた。吉田正を3番に据えるなど打線を組み替えたが、ここぞの場面で一本が出る相手打線とは、あまりにも対照的だった。 平日にもかかわらず、本拠地は3万3000人を超える観衆で埋まった。ファンは7点差を追い掛ける九回にも手拍子を送り続けた。その期待に応えるために、風向きを変えるきっかけがほしい。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕7回、試合を見詰めるオリックスの中嶋監督(左から2人目)=25日、京セラドーム