陸上男子短距離の桐生祥秀(26)=日本生命=が29日、6月の日本選手権後の休養を終え、活動を再開することを明らかにした。動画投稿サイト「ユーチューブ」で心境を語り、腹痛や血便を引き起こす難病「潰瘍性大腸炎」に罹患(りかん)して長らく悩まされてきたことを公表。その上で、「もう一回楽しみたい」と来年のレース復帰へ意気込みを示した。 2017年に男子100メートルで9秒98を記録し、日本人で初めて10秒の壁を破った桐生は、9秒台への期待や重圧に長年苦しんできたと告白した。ストレスが原因で東洋大2年だった15年に潰瘍性大腸炎を発症。出血がひどく、10錠以上の薬を毎日服用してきたという。「俺の陸上人生、一回終わるのかなと思った」と振り返った。 一方で、16年リオデジャネイロ五輪の男子400メートルリレーで銀メダルを獲得できたことには「久々に称賛してもらえた。自分の人生を変えてくれた出来事」とも語った。 6月に「陸上をやりたいと思うまで少しお休みします」として休養。「いい休みになった」と新たな意欲を見せた。山縣亮太(セイコー)が持つ9秒95の日本記録については、「あの人を超えたい」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕陸上・桐生祥秀選手