【ニューヨーク時事】女子テニス元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)が四大大会の全米オープン(29日開幕、ニューヨーク)に臨む。今月上旬に米ファッション誌のインタビューで、この大会後の現役引退を示唆。1999年に17歳で全米を制し、競技の枠を超えて存在感を放ってきた40歳が集大成のコートに立つ。 恵まれた体格で繰り出す強打を武器に、姉のビーナスと一時代を築いた。女子テニス界に与えたインパクトは、ツアー通算73勝、歴代2位の四大大会23勝といった記録だけでは語れない。力でねじ伏せるスタイルは女子のプレーをがらりと変え、白人富裕層のイメージが強いテニスで後進の黒人選手に刺激を与えた。 セリーナを憧れの存在と話す大坂なおみ(フリー)は、「彼女が残したものは言い表せないほど大きい」と言葉に力を込める。2018年の全米決勝で破った。観客のブーイングに涙する騒動もあったが、コートの外ではアドバイスをもらい、多くを学んだという。「私自身も彼女が成し遂げたことの産物だと思う。セリーナや彼女の家族がいたから今の私がいる」 セリーナはインタビューでは引退という言葉を使わず、「進化」と表現した。17年に生まれた長女が妹を欲しがっていることを明かし、「テニスの実績を積むか、家庭を築くか、どちらかにしないといけないなら私は後者を選ぶ」とも。ビジネスへの興味も次のステップに進む理由に挙げた。 全米では開幕日の29日に、夜のメインコートでシングルス1回戦に臨む。姉とのダブルス出場も発表。注目の大会が幕を開ける。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕テニスのウィンブルドン選手権、女子シングルス1回戦でプレーするセリーナ・ウィリアムズ=6月、英国ウィンブルドン(AFP時事)