圧倒した前半から一転、鹿島は押し込まれ、後半26分に1点差に迫られた。「悪い流れを払拭(ふっしょく)するのもFWの仕事。意味のあるゴールを決められた」と2ゴールの上田。エースがチームを救った。 2―1の後半33分。後ろ向きでボールを背負うと、相手を引き連れてゴール前へ進入。倒れ込みながら左足で強烈な一発を突き刺した。前半35分には、絶妙な抜け出しから鈴木のパスを受け、左足で4戦ぶりの得点。今季7得点とした。 ゴール量産の要因には、2トップを組む欧州帰りの鈴木の存在も大きい。自在に動き配球役に回ってくれる分、自身はゴール前で勝負できる。「パスを探る、出すタイミングは分かってきた。かみ合っている」と手応えを口にする。 数少ない本格派のストライカーとして、日本代表の森保監督も期待を寄せる一人。A代表での出場経験は少ないが、大迫(神戸)や南野(リバプール)らとの争いに割って入るだけの実力は備わっている。 「ゴールのバリエーションはFWの価値に直結する。いろんな得点を取っていきたい」。ワールドカップ(W杯)まで半年。23歳にしかない特長を見せてアピールを続ける。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、ゴールを決める鹿島の上田=3日、カシマ