1993年のJリーグ発足時から参加し、一度も降格がないままJ1通算1000試合目を迎えた鹿島。史上2クラブ目の節目の試合でバイラー監督が掲げる攻守の切り替えが早いサッカーを展開した。2ゴールに絡んだ21歳の松村は「このチームは歴史と伝統があるが、新しい風を吹き込む意味でも今年はタイトルを狙っている」と決意を新たにした。 前半の2得点は速攻から数秒内で仕留めた。特に6分の先制点は連動が光った。ゴールキックのこぼれ球を拾った松村がドリブルを開始。左サイドの安西が後方から追い越して相手DFを引きつけ、中央にシュートコースをつくる。松村のシュートはGKに止められたが、鈴木が詰めていた。 今季初先発の松村は前半14分にも、敵陣でのボール奪取から即座に鈴木が上げたクロスに飛び込み右足ボレー。役割を果たし「目の前が空いたので走り込めば(クロスが)来るかなと」。冷静さを保てていた。 川崎を抜いて首位に。静岡学園高で全国制覇を経験している松村は「(きょうの)1点だけで終わるつもりはない。継続的に試合に出ないと」。6年ぶりの頂点を目指す名門の原動力になるつもりだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、競り合う鹿島の松村(左)とC大阪の清武=29日、ヨドコウ