阪神の西勇は、開幕から3試合続けて1失点以内の投球を見せるなど、先発の柱として期待通りの役割を果たしてきた。 しかし19日の登板では、4点のリードを守れずに敗戦投手に。「前回良くなかったので一球一球と思いながらマウンドに上がった」。この日は悔しさも持ちつつ、丁寧にコースを突いた。 一回に2死から先制を許したが、右打者の内角を攻めるシュートや、外角への直球の精度が高く、二回からの3イニングは走者を許さなかった。四回には4番ビシエドの内角をえぐり、バットを折った。 五回は2死二塁からの死球でピンチを広げたが、鵜飼を外いっぱいの速球で見逃し三振に仕留めた。10三振を奪った力投を、矢野監督は「全体的にボールが良かったし、気持ちもすごく出ていた。今シーズンで一番いいぐらいの感じ」とたたえた。 これでチームはようやく2度目の連勝。まだ14の借金を抱えており、最下位から脱出するのは容易でない。そんな状況でも西勇は「巻き返すしかないと思っているし、勝つ気持ちは失っていない」。強い口調で反攻を誓った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕4回を三者凡退に抑え、笑顔でベンチに戻る阪神先発の西勇(右)=27日、甲子園