1番のティーグラウンドを幾重にも取り囲むパトロンの拍手を受けて、松山が力強いティーショットを放った。前年優勝者として臨むマスターズ。3月に痛めた首の不安を抱えながら、大舞台に戻ってきた。 力を込めたショットは「探り探り」の状態。パーオン率は50%と出場選手の平均を下回ったものの、ピンチで得意のアプローチがさえた。4番(パー3)では1打目をグリーン左に外したが、第2打をピンにぴたりとつけてパー。18番も、グリーン手前からの3打目を30センチに寄せ、観客をどよめかせた。 「最初はどうなるかと思ったが、徐々に自信を持って打てた」。ショットが本調子でない中をパープレーで踏ん張り、納得できる第1ラウンドとなった。 昨年、アジア勢初の制覇を遂げ、今大会開幕前には歴代優勝者を「チャンピオンズディナー」でもてなすなど、11度目のオーガスタは過去にない環境で迎えた。一挙手一投足に注目が集まる。「(首の)痛みはほぼないと思う。またいいプレーができるようにしたい」。ほっとした様子をにじませながら、自身を奮い立たせた。(オーガスタ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕第1ラウンドの2番、バンカーショットを打つ松山英樹=7日、米ジョージア州オーガスタ(AFP時事)