【シドニー時事】7大会連続となるサッカーのワールドカップ(W杯)出場を決めた日本代表。2大会連続の黒星発進と苦しんだアジア最終予選では、悲壮な決意があった。 「いつでも辞める覚悟はできている」。24日のオーストラリア戦後、吉田主将が、昨年9月のオマーンとの初戦後に森保監督から伝えられた言葉を明かした。指揮官も「麻也が言ったのなら」と真意を説明した。 「一戦一戦が生きるか死ぬか。本当に自分でいいんだろうか。もし駄目ならば、早く代えてもらった方が日本のサッカーのためになる」。優先すべきは、自身の立場ではなくチームの発展と勝利という考え。日本協会関係者にも同様の意思を伝えていたという。 第3戦のサウジアラビア戦も落として2敗目。長友が「10年以上の代表で一番苦しかった」ともらしたほどだが、覚悟を決めた監督は「気持ちの部分で全く波がなくて、本当になだらかだった」。続くホームの豪州戦から一気に6連勝した。 本番での目標は過去最高のベスト8以上。そのために強豪国との強化試合を求めている。「世界を見上げていたらいつまでたっても追い付けないし、追い越せない」。厳しい道を自らに課し、本大会へ進む。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕豪州に勝利し、客席のサポーターに笑顔であいさつする森保監督=24日、シドニー