【ロンドン時事】13日までノルウェーのビケルスンで行われたノルディックスキー・ジャンプ男子のフライング世界選手権で、小林陵侑(土屋ホーム)は個人13位だった。だが、最終日の団体では好ジャンプを披露。北京五輪の個人種目で金、銀メダルを獲得した実力の一端を示した。残り4戦がフライングヒルで実施されるワールドカップ(W杯)の個人総合優勝へ、明るい兆しが見えた。 団体の1回目。小林陵は着地でテレマーク姿勢を決めた直後、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすように右拳を振り下ろした。224.5メートルを飛び、飛型点も57.5点の高得点。「久しぶりに良いジャンプができたのでよかった」と胸をなで下ろした。 ヒルサイズ(HS)240メートル、K点200メートルの巨大なジャンプ台。直前のW杯と比べてHSは100メートル以上も大きくなり、対応に苦しんだ。個人を終えた12日夜、中村直幹(フライングラボラトリー)とともに映像を見返した。中村から「何か大きく変えないと。やってやろう」と励まされ、修正点を定めた。 ようやく好感触をつかみ、言葉も前向きだ。「良い感じで終われてよかった。(W杯はジャンプ)台も変わるので。悔いなく終われれば」。W杯の個人総合得点は1478点で首位に立ち、2位のカール・ガイガー(ドイツ)とは58点差。3季ぶり2度目の総合優勝を懸け、シーズン終盤戦に向かう。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ男子、フライング世界選手権での小林陵侑の飛躍=11日、ノルウェー・ビケルスン(AFP時事)