こだわり続けた大技に念願の大舞台で挑み、きれいに決めた。樋口は団体SPでは組み込まなかったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を冒頭に跳んだ。「一つの目標だったので、達成できたのはすごくうれしい」。五輪の女子日本勢で成功させたのは、伊藤みどり、浅田真央に続き3人目となった。  早熟とみられた樋口が21歳でたどり着いた夢の五輪。数々の苦楽を経験し「今季がぴったりなのでは」と思えていた。  2014年は浅田や安藤美姫と同じく、中学2年で全日本ジュニア選手権を制覇。全日本選手権3位で表彰台に上がり、一気に注目を集めた。前回平昌五輪に向けては代表2枠の有力候補に挙げられながらも、最終選考会の全日本選手権で4位に終わり、出場権を逃す失意を味わった。  平昌直後の18年世界選手権で銀メダルをつかんだものの、両足にけがを抱えるなど停滞した。「退化しちゃったかな」。疑心暗鬼になりそうな自分を支えたのが、中学時代から習得を目指してきた3回転半だった。  諦めずに取り組み続けることで「すごく気持ちが変わった」。昨季は失敗しても、とにかく実戦で跳ぶ感覚を体に染み込ませた。今季は試合で決められるようになり、憧れではなく「跳んで当たり前」。自らにそう言い聞かせるまでになった。  細かなミスがあり「アクセルを跳べたことよりも悔しい」。それでも、上々の73.51点。フリーも持てる力を出し切るだけだ。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕フィギュアスケートの女子SPで演技する樋口新葉=15日、北京 〔写真説明〕フィギュアスケートの女子SPで演技する樋口新葉=15日、北京 〔写真説明〕フィギュアスケートの女子SPで演技する樋口新葉=15日、北京 〔写真説明〕フィギュアスケートの女子SPで演技する樋口新葉=15日、北京
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 念願の五輪で3回転半=こだわり続けた樋口〔五輪・フィギュア〕