スピードスケート女子の高木美帆(日体大職)が、13日の500メートルで銀メダルを獲得した。同じ2位でも、金メダルを期待された1500メートル後とは打って変わって、はじけるように喜んだ。 スプリンターがしのぎを削る距離での五輪出場は初めて。経験豊富な1500メートルなどとは異なり、「短い時間で全てを出し切らなければならない難しさがある」。30秒余りの一発勝負。挽回できる余地がある主戦場の中長距離と違い「意地でどうにかなるものではない」と言う。 それでも「そんなに本数を滑っていない中でも良いレースができた」と思えた背景には、昨年12月の経験があった。今季ワールドカップ(W杯)で唯一500メートルに出た第4戦。13日のレースと同じアウトスタートだった。 W杯第4戦では、二つ目のカーブ入り口でスピードを制御できず失速を招いたというが、「今回はスピードに乗って入れた」。多種目を滑り込む中で備わった修正力の高さが、本人も驚く形で実った。 5種目にエントリーして、ここまでに四つのレースを消化。この後も最大3レースが予定されている。15日は準決勝と決勝がある団体追い抜きで連覇、17日の1000メートルでは2大会連続のメダルが懸かる。残り2種目で、どんな夢を見せてくれるか。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スピードスケート女子500メートルで銀メダルを獲得した高木美帆=13日、北京 〔写真説明〕スピードスケート女子500メートルで滑走する高木美帆=13日、北京