クラリベイトのライフサイエンス・ヘルスケア部門プレジデントであるHenry Levyは、次のように述べています:「ライフサイエンスにおけるイノベーションはかつてない高みに到達しており、本年度のDrugs to Watch™レポートは、アンメットニーズに対応し、既存の治療パラダイムに挑戦する業界の高い能力を改めて実証するものとなりました。クラリベイトは、その予測の正確さと信頼性に誇りを持っています。昨年は、13の医薬品をDrugs to Watch(注目すべき医薬品)として特定し、そのうち12の医薬品がすでに承認・上市され、1つの医薬品は上市の準備が整っている状況です。この実績は、当社の包括的なデータと深い専門知識の強さを反映しています。実用的なインサイトを提供し続けることで、私たちは、お客様のビジネスの機会をナビゲートし、課題を克服し、進歩を促進、そして、グローバルヘルスを前進させるようこのセクターの貢献に尽力してまいります。」
2025 Drugs to Watch™レポートは、ライフサイエンス業界における展望を再構築する主要トレンドに焦点を当て、新たなテクノロジーと医薬品のブレークスルーがもたらす変革における影響を強調しています。AIと機械学習の進歩により、創薬、臨床試験、リアルワールドデータの統合が合理化され、精密医療へのアプローチが可能になりつつあります。肥満症市場は次世代GLP-1医薬品に牽引されて革命を遂げつつあり、放射性医薬品セラノスティクスは「可視化して治療する」という アプローチを実現できるようになっています。遺伝子編集技術は個別化医療に新たな機会をもたらし、進化する規制の枠組みは患者アウトカムと治療へのアクセスの公平性をより重視するよう促しています。これらのトレンドは、世界の患者ケアを改善するためのイノベーションを推進する一方で、この分野の回復力と課題を克服する能力を示しています。
EBGLYSS™ (レブリキズマブ) | Eli Lilly and Co、Almirall | アトピー性皮膚炎
EBGLYSS™は、アトピー性皮膚炎治療のための、IL-13を標的とした第3の生物学的製剤として、L-13DUPIXENT®(デュピルマブ; Sanofi and Regeneron Pharmaceuticals Inc)およびADBRY®/ADTRALZA® (トラロキヌマブ; LEO Pharma)に続いて上市されました。第3の製剤であるとはいえ、EBGLYSSは投与頻度が少なくて済み、IL-13をより高い選択性で阻害し、広範な有効性および安全性データが得られていることから、ステロイド外用剤(TCS)で効果不十分な中等症から重度のアトピー性皮膚炎の治療の第一選択肢となると考えられます。
mRESVIA® (mRNA-1345) | Moderna Inc | 呼吸器合胞体ウイルス(RSV)
Drugs to Watch 2024で取り上げたAREXVYおよびABRYSVO(呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンとして現在60歳以上の成人に使用)に続いて、2024年5月にmRESVIA®が米国FDAの承認を取得したことによって、RSV関連の疾患負荷を軽減する公衆衛生イニシアチブがさらに強化されています。ワクチンが利用可能となった今も、RSV感染症は特に乳幼児および高齢者(65歳以上)における公衆衛生上の懸念事項となっています。