筑波大学体育系の佐渡 夏紀(さど なつき)助教と日本大学医学部の一瀬 星空(いちのせ ほしぞら)助手および早稲田大学スポーツ科学学術院の川上 泰雄(かわかみ やすお)教授の研究グループは、鍛えられた男性スプリンターの下肢は、一般成人男性と比べて大きく発達しているにも関わらず、両者における股関節まわりの「回転の動かしにくさ」に有意差はなく、そのため筋量の分だけ男性スプリンターは素早い動きが可能となることを明らかにしました。本研究成果は、『Medicine &Science in Sports &Exercise』(論文名:The lower limbs of sprinters have larger relative mass but not larger normalised moment of inertia than controls)にて、2022年10月27日(木)にpublish ahead of printがオンラインで掲載されました。その後、2023年3月に雑誌に掲載される予定です。
水分と脂肪だけを明るく写す画像を得る方法(Dixon法)でMRI画像を取得し、画像の不均一補正と輝度の解析によって脂肪組織と非脂肪組織に分類します。骨の分類において、皮質骨はMRIで写すことができず、内部の海綿骨は黄色骨髄の影響でMRIでは脂肪のような写り方をします。そこで、MRI画像内で対象者の身体が写っている領域(図4の「確定マスク」)を定義し、骨をその領域内から探索するプログラムを新たに作成することでこの点を解決しました。以上の手順を踏むことで、2 mmごとに取得される下肢500枚以上の画像全てで、ピクセル毎に組織を判別することが可能となりました。筋体積などを調べた従来の3次元形態解析(例: 10 mm ごと: Miller et al. Med Sci Sports Exerc 2021)と比べて飛躍的に高い空間分解能を実現しました。