2018年1月23日



つくば国際スポーツアカデミー



TIAS、産官学による「オリンピック・レガシーに関する

ラウンドテーブル」開催

伝統的な強みと課題解決を軸としたレガシー構築が重要

多様な視点を持った人材の育成がレガシー創出のカギ



 日本政府が推進するスポーツおよびオリンピック・パラリンピックムーブメント普及のための「Sport for Tomorrow」プログラムの一環として開設された、つくば国際スポーツアカデミー(Tsukuba International Academy for Sport Studies:以下、TIAS)は、1月22日(月)都内にて、社会的遺産(オリンピック・レガシー)に関する普及と理解促進を目的に、企業やオリンピック関連団体関係者を登壇者として迎え、企業関係者および報道陣に向けたラウンドテーブルを開催しました。

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 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を目前とした今、大会開催後に開催都市や関連組織団体、社会、生活者などに対して、どのような継続的且つポジティブなオリンピック・レガシーを残すことができるかに注目が集まっています。



 報道関係者および企業関係者が聴講した本ラウンドテーブルでは、真田久教授(筑波大学/TIASアカデミー長)に加え、2020年を基軸にしたレガシー創生の中核として活躍されている石川貴規氏(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アクション&レガシー部長)、そして企業を代表してオリンピック・レガシー創出に携わってこられた高橋オリバー氏(日本コカ・コーラ株式会社TOKYO2020ジェネラル・マネージャー)、2020年東京大会にむけてオリンピック・レガシー創出に現在取り組まれている松下直樹氏(株式会社アシックス 執行役員 グローバルスポーツマーケティング統括部長)が参加し、企業、スポーツ大会統括組織、大学研究機関の産官学それぞれの立場からオリンピック・レガシー創出の重要性について論議し、理解を深めました。



 「レガシーとは大いなる伝承物」と自動車メーカーSUBARU社の例をあげながら、真田久教授(筑波大学/TIASアカデミー長)は、改めてレガシーとは何かについて、IOCにおけるレガシーの起源や定義から説明。さらに「欧州各都市の招致取り下げなどを受けて、IOCがヨーロッパにおけるオリンピック継続の危機を認識し、コストに見合う大会開催の価値創出を求めるようになってきた」など、レガシー重視にいたる背景についても説明しました。また、日本開催のオリンピックでは過去1940年、1964年、および来たる2020年においても、復興がビジョンに入っており、また、教育分野でも一校一国運動など日本ならではのユニークな取り組みが見られるなど「伝統的強みと課題解決を元にしたレガシーを構築すること」の重要性を訴えました。

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 「オールジャパンで一人でも多くの人が参画できる東京2020大会に」と、石川貴規氏(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アクション&レガシー部長)は、大会ビジョンである「スポーツには、世界と未来を変える力がある。」をベースにした進行中の参画プログラムを説明。まずは全国の人に参画プログラムなどを通じて東京2020大会自体や大会の意義を知ってもらうことを重視しており、さらに選手や観戦者、関係者など史上最大数の人の参加が見込まれる東京2020大会では、新国立競技場などの有形のレガシーのみならず、9万人以上を目指すボランティアや訪日外国人の方への対応、障がい者の方も活き活きと輝ける社会など、無形のレガシーの創出にも注力したいと語りました。

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 「レガシーとは、何10年か経ってからあのときこれをやったから今があるというようなもの」と長年の経験から高橋オリバー氏(日本コカ・コーラ株式会社TOKYO2020ジェネラル・マネージャー)は、各大会で進化し続けるレガシーの構築のビジョンやプロセスを紹介。東京2020大会にむけて、マネジメント層だけではなく、現場スタッフでもワークショップを実施するなど「お客様に近い現場の声をより大事にしていくことで、誰もがわかりやすく一緒にやりたくなるユニークな取り組みを行い、全国を巻き込む“ジャパン2020”にしてレガシー構築につなげたい」と語りました。

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 「レガシー創出において、人材育成は非常に大きな要素」と同じく企業の立場から発言した松下直樹氏(株式会社アシックス 執行役員 グローバルスポーツマーケティング統括部長)は、オリンピックを契機とした社内での人材育成や、TIASなど外部からのグローバルな人材の採用が同社のレガシーになる、という考えを示しました。特にアジアに関しては「日本のコンテンツをPRする機会が増えてくるので、アジアで活躍できる国際的な人脈を持つ人を積極的に採用していく必要がある」と述べました。また、実際に競技に直結する製品を開発・供給する企業として「具体的に大会に向けたスケジュールを社内に示していくことで、社員のモチベーションを向上させることができる」と、ものづくり企業ならではの経験を紹介しました。 

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 最後に、人材教育を行うTIASの立場から真田久教授は、「伝統的な強みをもとにした課題解決がレガシー創出につながっていくと考えており、こうした視点を持つ人材を養成していくことが必要です。それぞれの国や都市、企業、大学がもつ伝統的な強みを活かし、これからの課題が何なのかを考えることで様々なレガシーが生まれると考えています」と、レガシー創出を見据えた2020年以降の日本における国際スポーツアカデミーの方向性を示しました。



【オリンピック・レガシーに関するラウンドテーブル概要】

日程: 平成30年1月22日(月)14時30分~16時00分

場所: トラストシティカンファレンス京橋 

主催: 筑波大学(つくば国際スポーツアカデミー(TIAS)※スポーツ庁委託事業)

実施内容: 

・開会挨拶(塚本拓也主任研究員(筑波大学/TIAS 海外事業広報戦略ディレクター))

・オリンピック・レガシーとは (真田久教授(筑波大学/TIASアカデミー長)) 

・産官学からのトップランナーによるオリンピック・レガシーに関するディスカッション

《登壇者》

真田久教授(筑波大学/TIASアカデミー長)

石川貴規氏(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アクション&レガシー部長)

高橋オリバー氏(日本コカ・コーラ株式会社 TOKYO2020ジェネラル・マネージャー)

松下直樹氏(株式会社アシックス 執行役員 グローバルスポーツマーケティング統括部長)

《モデレーター》

高橋義雄准教授(筑波大学/TIASアカデミー スポーツマネジメントディレクター)

塚本拓也主任研究員(筑波大学/TIASアカデミー 海外事業広報戦略ディレクター)

・質疑応答

・閉会挨拶(塚本拓也主任研究員(筑波大学/TIAS 海外事業広報戦略ディレクター))



◆つくば国際スポーツアカデミー(TIAS)とは

 TIASは、日本政府が推進するスポーツおよびオリンピック・パラリンピックムーブメント普及のための「Sport for Tomorrow」プログラムの一環であり、政府の全面的な支援を受けています。TIASの母体である筑波大学は、アジア初の国際オリンピック委員会(IOC)委員である嘉納治五郎を前身校の学長に持ち、100年以上にわたって日本のオリンピック・ムーブメントを牽引してきました。2020年オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、TIASでは、世界から選出された学生と交流し、オリンピック・パラリンピック教育をはじめ、最新のスポーツマネジメント、ティーチング・コーチングなど、幅広く学ぶことができます。 詳細については、http://tias.tsukuba.ac.jp/ をご覧ください。



◆平成30年度 人間総合科学研究科博士前期課程体育学専攻

スポーツ・オリンピック学学位プログラム募集要項

入学時期:平成30年10月1日

期間:      修士課程の修業年限は2年だが、優秀な人材を国際的に募集し、18か月の早期修了を目指す。

必要経費:・検定料:30,000円(書類選考合格者のみ)

     ・入学料:282,000円

     ・授業料:平成30年10月~平成31年3月:267,900円

          平成31年4月~平成31年9月:267,900円

          平成31年10月~平成32年3月:267,900円

          ※留学生は、試験費用、入学料、および授業料を免除されます。

出願資格:次のいずれかに該当する者(1.日本国内大学(4年制)を卒業、又は平成30年9月までに卒業見込みの者、2.外国において学校教育における16年以上の課程を修了し、学士の学位を取得した者、又は平成30年9月までに修了・取得見込みの者、3.日本国内において学士の学位を取得、又は平成30年9月までに終了見込み・取得見込みの者、4.本学大学院において行う出願資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で、22歳に達した者、及び平成30年9月までに22歳に達する者)



選考日程:Web出願(平成30年1月24日 12:00~平成30年2月23日 15:00)

     必要な証明書等の提出締切(平成30年3月12日17:00必着)

     書類選考合否(平成30年3月23日15:00 Webにより発表)

     口述試験(平成30年4月3日~平成30年4月5日)

     合格発表(平成30年5月10日15:00 Webにより発表) 

     ※以上全て日本標準時間



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 TIAS、産官学による「オリンピック・レガシーに関するラウンドテーブル」開催