大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、抗悪性腫瘍剤TAS-102(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、日本での製品名「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」)に関して、進行・再発の結腸・直腸がん患者を対象とした国際共同臨床第III相試験(試験名:RECOURSE)の結果が、スペイン バルセロナで開催された第16回世界消化器癌学会(ESMO 16th World Congress on Gastrointestinal Cancer、6月25~28日)において、現地時間6月28日(土)に口頭発表されたことをお知らせします。本試験では、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者において、TAS-102が全生存期間(Overall Survival: OS、主要評価項目)と無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)を有意に延長する結果が得られました。
本試験は、無作為割付・二重盲検・プラセボ対照の国際共同臨床第III相試験で、日本の他、北米、欧州、オーストラリアから800名の患者登録がありました。対象は少なくとも2種類以上の標準化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカン、オキサリプラチン、ベバシズマブ、KRAS遺伝子に変異のない野生型の場合では抗EGFRモノクローナル抗体)に不応となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者です。TAS-102の有効性を検証することを目的に、患者さんをTAS-102投与(35mg/m2/回)プラス支持療法群、又はプラセボ投与プラス支持療法群にランダムに割り付け(2:1)、1日2回投与しました。主要評価項目は全生存期間です。本試験の研究代表者は、独立行政法人 国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター長 大津 敦先生(日本)、Dana-Farber Cancer InstituteのRobert J. Mayer先生(米国)、University Hospital LeuvenのEric Van Cutsem先生(ベルギー)の3名です。