近年、施設の空き待ちなどで在宅介護をされる方が増えています。
介護対象者の意志や家族の意志もありますが、在宅介護を決めた家族にとっては心身的にも費用的にも大きな負担となります。
一緒に介護する事だけが協力でしょうか? 主介護者以外の人間にどのような事ができるのでしょうか。
今回は在宅介護に対するちょっとした気使いについて見ていきましょう。
協力するのは同居家族でなくても良い
例えば長男夫婦が在宅介護を決めた場合、「長男なんだから当たり前」と思う風潮が今も残っています。
しかし実際には、決してそんな事はありません。介護の手はいくつあってもたりません。
介護をして居る時、家の事をしてくれる人は居ますか?
ちょっとした息抜きがしたい時、代わりに家族を見てくれる人はいますか?
介護対象者が自宅に居るということは、同居する家族全員が毎日介護と向き合う事になります。
家族全員で息抜きをする事も難しくなります。
家族内で交代で介護や家事をしているうちに皆がストレスを抱えて介護の質が落ち、介護うつになったり、そのストレスが極限状態になった最悪の場合、ネグレクトに発展する恐れもあるのです。
訪問介護サービスを利用し、週に数回外出することは可能になりますが、何時間もヘルパーに滞在して貰うのは難しいでしょう。
通所介護に行っている間の外出も可能ですが、決められた時間に戻らなくてはいけないので落ち着いて外出することもままなりません。
そして、それらが出来たとしても費用がかかります。
「今度の日曜顔を出すから、その間皆で少し気晴らしでもしておいで」
そんな気遣いが出来る親族が必要です。
周りが積極的に介護に携わることで、主介護者の心身的負担を軽減できることは確実です。
ただし、主介護者の介護方針を否定したりするのはNGです。
記念日の贈物で一工夫
母の日、父の日、誕生日、様々な記念日があり贈物をすることもあるでしょう。
本人の欲しい物をプレゼントするのが一番ですが、その時にちょっとした心遣いがある事で介護する側にとっても嬉しいプレゼントとなります。
衣類は洗いやすく、着脱しやすい物、そして年中使える物だと悦ばれる事があります。
例えばパジャマや下着、普段ゆったりと着られるような部屋着なども悦ばれます。デイサービス等に通っている方は、通所用のおしゃれ着なども良いでしょう。
リハビリパンツや紙おむつを利用している方は、ズボンのサイズが今までとは事なる場合があります。
お尻周りに余裕を持たせるために1サイズアップしている事もありますので、サイズ確認は忘れずにしておきましょう。
事前にどのような物だと良いのか、別居して居る場合は同居家族に確認をしておく方法もおすすめです。
場合によっては消耗の激しい介護用品が喜ばれる場合もあります。
費用のかかる毎日使用するオムツや尿取りパッドが欲しい! なんていう方もいらっしゃいますので、介護費用の削減に協力すると考え相談してみると良いですね。
家族内の気配り
日々介護に追われていると、それぞれの役割が決まってしまいがちです。
妻に親の介護を任せていると、やって貰うのが当たり前になっている事があります。
家族同士での気遣いや声かけ、思いやりがストレスの軽減になる事を忘れてはいけません。
仕事が忙しくて介護に参加できない旦那さんも多いかと思いますが、家事やちょっとした手伝いをする事で円滑な介護生活を送る事ができます。
小さなお手伝いでも大きな感謝につながるものです。
まとめ
介護と言っても誰か一人が犠牲になり、その人が頑張るだけでは成立しません。
頑張っている人を周りがサポートする事で遣り甲斐も生まれますし、介護される側も安心して在宅生活を送る事が出来ます。
施設入所が決まった後も、施設側とコミュニケーションを取る事が重要になります。
職員との情報交換は、本人に関する情報提供が介護協力にもなるので積極的に面会へ行き担当の職員と会話をする事をお勧めします。(執筆者:佐々木 政子)
情報提供元: マネーの達人