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2024年12月18日、ダウ平均株価は、前日比-1,123ドルと大幅安で取引終了し、1974年以来の10日続落となりました。
なぜ今、株安と円安が同時に進んでいるのでしょうか?
その理由を考えていきます。
株価や為替の動きには、アメリカの中央銀行である「米連邦準備理事会(FRB)」の政策が大きな影響を与えます。特に、アメリカの金利に関する決定は世界のマーケット全体に波及します。
12月18日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエルFRB議長は、来年以降の金利引き下げ(利下げ)を緩やかに進める方針を発表しました。
この方針は市場の予想を下回る慎重なものでした。
その結果、投資家たちは「金利が高い状態が長く続くのではないか」と考え、債券価格が下落し、利回りが急上昇しました。
債券の利回りが上がると、株式市場への資金流入が減り、株価が下がる傾向があります。また、高金利が続くと企業の借入コストが増え、利益が減る可能性があるため、株が売られやすくなります。
この発表によりダウ平均株価は、前日比1123ドル安で取引終了し、1974年以来の10日続落となりました。
日本市場も大きな影響を受け、日経平均先物の夜間取引は一時前日比900円安を付ける場面がありました。
為替市場では、円がドルに対して価値を下げ、一時154円80銭を付け円安・ドル高が進みました。その理由の一つは、アメリカと日本の金利差です。
FRBが高金利政策を維持する一方で、日本は長らく低金利政策を続けています。この金利差が大きいほど、投資家は利回りが高いドルを買いたいと思うため、ドルが買われ、円が売られます。
さらに、アメリカ経済の堅調さもドル高を支えています。
インフレが一定の水準で収まりつつある中で、雇用状況や消費活動は比較的強い状態が続いています。この状況が「ドルはまだ信頼できる通貨」との見方を強め、円安に拍車をかけたとの見方もあります。
株価が大きく下がった理由の一つは、長期金利の上昇です。
長期金利とは、10年やそれ以上の期間でお金を借りたときにかかる利息の割合のことを指します。これが高くなると、企業が借り入れる際のコストが増え、設備投資や事業拡大が抑えられる可能性が高まります。
また、投資家はリスクの高い株式よりも、安全で利回りが高い国債を選ぶ傾向があるため、株式市場から資金が流出します。
さらに、この日は特定の業種や銘柄だけでなく、幅広い企業の株が売られたことが特徴的です。
特に、テクノロジー株や金融株といったこれまで堅調だった分野で大きな下落が見られました。
たとえば、電気自動車大手のテスラや金融大手のゴールドマン・サックスといった企業の株価が大幅に下落しました。これにより市場全体に「今後も下落が続くのでは」という不安が広がりました。
市場が今回大きく反応した背景には、FRBが「高金利状態を長期間続ける」という方針を示したことがあります。
この政策は、
「企業にとって逆風」
「家計にとって負担が増える」
というネガティブな影響を与えるため、投資家の心理に悪影響を及ぼしました。
また、FRBの発表後に米国の10年物国債利回りが約7カ月ぶりの高水準に達し、それに連動して株式市場が急落しました。
多くの投資家が2025年以降の金利引き下げに期待しましたが、予想よりも慎重なスタンスが示されたことで失望感が広がったといえます。
注目すべき点としては、今後のFRBの会合での動きです。
次回の2025年1月の会合では利下げが見送られる可能性が高いとされており、これが市場にさらなる不透明感を与えています。
不確実性が高まることで、投資家がリスクを避けようとする動きが強まる可能性があります。
今後、株式市場や為替市場の動きを見る際には、次のポイントに注目する必要があります。
FRBの利下げペースがどのように変化するかを注視することが重要です。
高金利が長期間続けば、株価や不動産市場にさらなる下押し圧力がかかる可能性があります。
アメリカのインフレ率が再び上昇する兆候があれば、FRBはさらにタカ派的な政策を取る可能性があります。
また、雇用や消費の動向も市場に影響を与えるため、経済指標の発表を注視する必要があります。
為替市場では、ドルと円の金利差が今後も重要な指標となります。
加えて、日本銀行の政策変更が円安に歯止めをかけるかどうかも重要な要素です。
円安が進むと物価高に繋がり、私たちの生活を圧迫する要因になる可能性もあります。
今回の株安と円安の背景には、FRBの高金利政策を維持する姿勢が大きく影響しています。
このような市場環境では、不透明感が高まりやすく、株式や為替が大きく動く可能性があります。
投資家としては、短期的な動きに振り回されず、長期的な視点を持って市場に向き合うことが重要となります。
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