「高額な医療ローンを組んでまで美容整形をしても良いのか…」 OKとNGの境界線をFPが解説

美容整形の場合、保険の効かない自由診療の医療費が高額となるため、クリニックと提携している信販会社や銀行が提供する医療ローンを利用することが一般的です。

医療ローンを利用するためには、審査に通過する必要があります。例えば、信販会社の医療ローンを申し込む場合の条件として「20歳以上で安定した収入がある」「18歳以上20歳未満で収入がある場合、連帯保証人が必要」などが挙げられます。

また、医療ローンの諸条件は金融機関や個人の信用によって異なりますが、以下のような条件が一般的です。

一般的な金利は3%~15%、支払い期間は3年から5年、返済期間は半年から最長10年まで


そして医療ローンの一般的なメリットは、

  • 必要なタイミングで必要な施術を受けることができる

  • 費用を分割払いできることによる経済的な負担の軽減

  • クリニックと提携しているローンの場合、手続きがスムーズ(審査などが早い)

などが挙げられます。

この記事の執筆者 高田彩香:大学卒業後、司法書士法人へ入社。その後、資産運用特化の独立系FP事務所へ転職し、2022年株式会社メヴィリエを設立。学生時代から株式投資を行ってきたという自身の経験と知識を活かし、「女性の夢を叶えるFP」として企業と提携し、医療ローンの相談から女性起業支援まで幅広く、一人一人のライフプランに合った資産形成のコンサルティングを行っている。【保有資格】CFP・証券外務員一種・メンタル心理カウンセラー

メリットが大きいのは以下2つのパターン

美容整形の医療費は数十万円に及ぶ場合も多く、医療ローンの利用には慎重になるべきです。医療ローンを組んででも美容整形を受けるメリットが大きいのは、次のパターンにあてはまるかたです。

医療ローンを組んででも美容整形を受けるメリットが大きいのはこんな場合
  1. 就職活動前や結婚式前など、特定のイベントに向けて外見を整えていきたい場合

  2. 大がかりで高額な施術(輪郭の施術や複数の施術を同時に行うなど)を受けることで、コンプレックス解消による自己肯定感の向上やキャリアアップなどにつながる場合

就職や結婚などのライフイベントに向けて外見を磨きたいときなどはタイミング的にはOK

おすすめできないパターン

以下のパターンにあてはまる方は、医療ローンを組んでまで美容整形をするのはおすすめできません。

  1. 月返済額は月収の15%以上になってしまう場合

  2. 最低3~6か月分のローン返済準備金が手元にない場合

医療ローンには利息の支払いがあります。そのため、ギリギリの資金計画で医療ローンを組んでしまうと後に支払えなくなるケースがあります。

(例)美容整形費用200万円・金利8%・5年返済の場合:毎月の返済額が約4万円、総支払額は約240万円(=利息だけで約40万円かかる)


この他にも、「将来的な借入れ(住宅ローンなど)が制限される」「長期的な資産形成が困難になる」などのデメリットが考えられます。

ローンの滞納などで信用を損ない将来に影響する場合にも注意が必要

医療ローンとライフプランはどう折り合えばいいのか?

美容整形を受けることは、これからの人生をより幸せに送るための第一歩です。そのため、長期的な目線で人生全体のライフイベントと合わせて計画していく必要があります。ここでは、医療ローンの返済と人生全体のライフプランを並行して考えていくためのステップを解説していきます。

1. 家計全体を見直して、収支のバランスを明確にする

医療ローンを組む前に、現在の家計の収支をしっかりと把握しましょう。

毎月の固定費(家賃、光熱費、通信費 など)と、変動費(食費、娯楽費など)を整理し、ローンの返済がどれほどの負担になるかシミュレーションを行います。

ローン返済が月の収入の15%以内に収まるように計画するのがポイントです。

また、失業や収入の減少に備えてある程度の緊急資金を確保しておく必要もあります。

2. 結婚・子育てと合わせて考える

結婚や子育ては、将来的に大きな支出を伴う重要なライフイベントの一つです。

特に子育てには、教育費や生活費、医療費(出産費用含む)などの継続的な費用がかかります。

両立してローン返済を行うためには以下のポイントを抑えて計画する必要があります。

・返済期間の短縮:返済期間を短めに設定し、将来のライフイベントが重なる前にローンを完済する計画にしましょう。例えば、結婚を数年後に計画している場合、その前にローンを完済できるようなシミュレーションにします。

・貯蓄の両立:ローン返済と並行して、将来のライフイベントに必要な貯蓄計画を立てましょう。毎月決まった金額を貯蓄していくことを前提にローン返済額を決めていきましょう。

3. 住宅購入と合わせて考える

住宅購入は、多額の資金がかかる大きなライフイベントです。住宅ローンを組む際は、他の借入れ(医療ローン を含む)が影響するため、事前にしっかりとした計画を立てる必要があります。

まず、前提として医療ローンの返済において滞納などがないように注意しましょう。また、結婚・子育てのライフイベント同様、住宅購入前に医療ローンが完済できていることが理想的です。

住宅ローンと医療ローンの両方がある場合は、返済比率が合わせて月収の30~35%を超えないように計画しましょう。

住宅ローンと合わせた返済比率が高くなりすぎないよう注意しよう

医療ローンとライフイベントを両立させるポイント【まとめ】

・貯蓄を並行して行う:毎月の貯蓄を前提として、ローンの返済額を決めていきましょう。

・無理のない施術計画を立てる:優先順位を付けて段階的に施術を受けることも検討しましょう。施術を段階的に 行うことで、それぞれのライフイベントに合わせた計画が可能になります。

・緊急資金の準備:失業や収入減少などのリスクに備え、3~6ヵ月分の生活費を貯蓄しておきましょう。

・保険の見直し:生命保険や医療保険などを活用して、万が一の時でも返済が継続できるようにしておきましょう。

このように人生全体を通したシミュレーションを何パターンか計画した上で、実際に行動していきましょう!

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 「高額な医療ローンを組んでまで美容整形をしても良いのか…」 OKとNGの境界線をFPが解説