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【怪しい副業に注意】LINEだけで稼げる副業の実態 筆者の「登録体験談」
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」とは、厚生労働省が作成したもので、企業が社員に対して副業・兼業を認める場合にどのようなことに注意をすればよいのかを示しています。
ガイドラインは企業向けですが、その内容を知ることは副業・兼業を考えている方には参考となると思います。
このガイドラインは、副業・兼業を認める方向になっていますが、それはもともと労働者が企業での勤務時間以外を如何に使うかは、本人の自由だからです。
企業がそれを規制できるものではないのです。
裁判も副業・兼業を認める判例が多くなっています。
また、最近の副業・兼業は、生活に困ってというよりも、スキルアップのために、起業の準備のためにとその目的が変わってきているという事情があります。
国もその目的に鑑みて、労働者のキャリア形成促進からも副業・兼業を推進しているのです。
上記のようにガイドラインでは、副業・兼業を認める方向ですが、全ての副業・兼業が認められるわけではなく、下記の4つのケースの場合には、制限をかけることを認めています。
1. 労務提供上の支障がある場合
2. 業務上の秘密が漏洩する場合
3. 就業により自社の利益が害される場合
4. 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
副業・兼業をした場合、その働き方によって労働時間の管理は異なってきます。
自営やフリーランス等の場合労働時間は自由ですが、アルバイト等雇用関係になる働き方の場合は、労働時間が問題となってきます。
労働時間は法律で上限が決められいるため、本業の事業主とアルバイト等の事業主がそれぞれ労働時間を通算して管理しなければならないのです。
法律による時間外労働の上限は、36協定を結んでも月100時間未満、複数月80時間以内を守らなければなりません。
重要なことは、この時間は本業とアルバイト等を合わせた時間だということです。
本業も残業が多い職場であれば、アルバイト等でそれほど働くことはできません。
また、時間外労働に対する賃金は、通常賃金の25%増しです。
本業で週40時間、1日8時間働いていてその後にアルバイト等をすると、アルバイト等では全て残業時間になるので、本来の時給+25%増しの賃金を支払わなければなりません。
そうなると、アルバイト等先の事業主は余分に賃金を払わなければならないので採用を断る可能性が高くなります。
事業主は 1,200円×1.25=1,500円 の時給を支払わなければならない
時給が高くなって採用されない不安がある場合、本業のことを言わないで働く方が出てくるでしょう。
つまり、本業で届出をしないで、アルバイト等をすることになり、企業によっては、何ら処分の対象となる可能性があります。
ポイントを確認します。
自営以外は契約を結んで働くので、それが雇用契約か、業務委託契約かの違いです。
労働者の立場で働くと会社と雇用契約を結び、フリーランス等の立場では会社と業務委託契約を結ぶケースが多いようです。
業務委託契約では労働時間ではなく、業務の遂行で管理するので、何ら問題は発生しません。
しかし、雇用契約の場合は、本業との労働時間の通算という問題が発生します。
副業・兼業が全て時間外労働となってしまう可能性は大なのです。
雇用契約で働く場合は、労働時間の通算を管理しなければならないので、本業での時間外労働の上限を確認しておく必要があります。
時間外労働の月100時間未満と言うのは上限であり、企業によってはもっと短い時間を設定しているケースもあります。
この時間外労働の時間内で副業・兼業をすることになります。
本業の他に副業・兼業をするので長時間労働になりがちで、健康に支障をきたすかもしれません。
そして本業がおろそかになってしまうと企業から副業・兼業の制限がかけられます。
副業・兼業は認められるのが原則ですが、「労務提供上の支障がある場合」は、制限が認められるので減らすことを考えるべきでしょう。
本業先、副業・兼業先の事業主には、労働時間、仕事の具体的内容等を包み隠さず話しておきましょう。
本当のことを隠して働くと、例えば労災事故が起こった場合にトラブルになってしまいます。
どちらで起こった事故であっても労災保険は適用されますが、その金額は両方の賃金を合算して算定することになるのです。
法改正により新しくなった制度ですが、本業と副業・兼業先両方の賃金を合算して業務上の負荷から給付金額を算定します。
特に副業・兼業先で労災事故が起こった場合、本業のことを伝えていないと保険給付が少額となってしまいます。
副業・兼業に関しては、認める企業が多くなりました。
また、就業規則に副業・兼業禁止規程が記載されていても、勤務時間以外を自由に使うことは当然のこととして認められているので、するしないは本人の自由です。
しかし、副業・兼業の結果本業がおろそかになってしまっては本末転倒です。
そこで、何の目的で副業・兼業をするのかよく考えて、その目的までも企業に届け出ることにより、より一層本業に頑張っていくことが肝要です。(執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵)
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