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金融資産1000万円が「見える世界が変わる」節目 つみたてNISAを続けることで到達可能
円安は日米の金利差が主な原因となりますが、来年中には米国が利下げに転じることが濃厚となっています。
日米の金利差が縮まれば今のような円安は是正されることになり、円高に進行します。
その時に株価が上がっていれば問題はありませんが、来年訪れるとされている米国のリセッション(景気後退)により株価がさらに下落してしまった場合、円高と株安のダブルパンチを喰らうことになってしまいます。
今年は円安の影響で資産が大きく減るということはありませんでしたが、ここに円高が加わると資産は大きく目減りしてしまいます。
そんな時でもつみたてNISAを継続することができるよう、今一度メリットと特徴を理解しておくことには大きな意味があると考えます。
つみたてNISAの最大の特徴は利益に課税されないという点です。
通常、投資で得た利益には約20%の税金が課されます。
ですがつみたてNISAを活用して得た利益は全額非課税です。
例えば300万円の利益が出た場合、通常の口座であれば約60万円が税金として差し引かれますが、つみたてNISAであれば300万円全額を利益として受け取ることができます。
通常、投資金額が大きくなればなるほど、投資期間が長くなればなるほど複利の効果が活かされ利益も大きくなります。
長期投資を前提としているのがつみたてNISAなので、その恩恵もとても大きなものとなります。
つみたてNISAで投資することができるファンドはほとんどがインデックスファンドです。
インデックスファンドとは日経平均やS&P500などの指数に連動することを目指すファンドで、その手数料の安さに特徴があります。
対して指数を上回る成績を目指すのがアクティブファンドです。
ファンドマネージャーが売買の指示を出すので人件費などの経費がインデックスファンドに対して高くなります。
アクティブファンドの成績が常に優れているなら経費が高くても大きな問題とはなりませんが、残念ながらほんの一握りのアクティブファンドしかインデックスファンドの成績を越えることができていないというのが問題です。
しかも優れているアクティブファンドは常に優れているわけではなく、当たり前ですが年によって成績にばらつきがあります。
つまり常にインデックスファンドを上回ることはほぼ不可能ということになります。
であれば最初から低コストなインデックスファンドに投資しておくほうが好成績を出せるということになります。
つみたてNISAには投資上限額はありますが、下限というものはありません。
月数百円や数千円といった小さな金額から始めることが可能です。
さらにS&P500やアメリカ全体など、1社に投資するのではなく分散投資をすることができるのも大きなメリットです。
「リスクを抑えるために分散して投資するべき」というのは誰もが聞いたことあるのではないでしょうか。
この分散投資を無理のない金額から実践できるのも大きなメリットです。
つみたてNISAは投資するファンドと買付金額を設定するだけで実践できます。
個別株式取引やFX、不動産取引などと比較して、必要な知識量が少なくて済むというメリットがあります。
トレーダーのように画面に張り付く投資スタイルではなく、時間をかけて経済成長の利益を享受する投資スタイルです。
もちろん全く知識がなくても問題ないというわけではありませんが、いわゆる「投資」の中では一番といっていいほどハードルの低い部類に入ります。
頻繁にチャートを確認する必要や、日々の値動きに一喜一憂する必要がないのは本業が忙しい方でも実践しやすい投資といえるでしょう。
長い時間をかけて毎月一定額を購入することにより、資産の平均取得価格を有利にすることができるのが積立投資の特徴です。
価格が高い時は少量、逆に安い時は多くの資産を購入することができるので、高値掴みを避けることができます。
また、多くの資産を一括で投資するわけではありませんので、たとえ価格が下がっても受けるダメージを軽減することができます。
将来の値動きを読むことは誰にもできません。
上がっても下がっても大きな損失となる可能性が低いドルコスト平均法はまさに投資初心者にもうってつけの投資でしょう。
つみたてNISAをはじめとした積立投資は長期で継続することが大前提の制度です。
続けてさえいれば高い確率で利益を得ることができることは過去のデータが示しています。
ですが暴落時にも続けることは想像しているよりも難しいことです。
仮に来年に円高と株安が同時に襲ってきた場合、ここ数年で投資を始めた方にとっては実質的に初めての暴落相場となります。
この時の判断が将来の資産形成の成否を左右することになります。
暴落時にも積立を継続できる精神的、金銭的余裕が必要です。
少しでも不安がある方は
・ 長期を前提とした投資であること
・ 投資にまわす資金は数年以内に使えなくても困らない余剰資金であること
といった点を今一度確認しておく必要があります。
つみたてNISAはその名の通り積立投資であり、リスクを抑えた投資ではありますが、リターンの最大化を目指す投資ではありません。
過去の米国株式チャートを見ると、途中途中で下落を経験しつつも、長い目で見れば綺麗な右肩上がりを描いています。
つまり過去のどの地点で投資をしていても必ずプラスになっています。
ということはどれだけ多くの元本をどれだけ長い期間寝かせておけるかが資産最大化のカギになるわけです。
積立投資は一定間隔、一定額ずつ投資する手法ですので、どうしても待機資金(投資に回っていないお金)ができてしまいます。
右肩上がりの相場であれば待機資金は機会損失となり、投資していたら得られたであろう利益を放棄していることになってしまうということです。
仮に手元に100万円の資金があるなら、毎月5万円ずつとかではなく、一度に100万円投資してしまったほうが将来の利益は大きくなるのです。
ですがこれは簡単ではありません。
投資に慣れていない方ほど、途中の下落相場で耐えられなくなり売却してしまう可能性もありますし、そもそも一括で投資できる余剰資金が無い場合もあるでしょう。
そこで出てくるのが積立投資です。
積立投資であればまとまった資金の準備は必要ありませんし、たとえ下落相場が来てもダメージを軽減することができます。
利益の最大化を目指している投資手法ではなく、リスクを抑えて長く投資を続けるための手法だとご理解ください。
ですが再現性という点では最強の投資手法でしょう。
「低コストな優良インデックスファンドに非課税で時間分散をかけて投資していく」
どのタイミング、どの程度の金額で投資しても勝率の高い投資だと考えております。
つみたてNISAほどお手軽で信頼性の高い投資は他にはありません。
初心者でもできる投資にも関わらずプロ並みの成績が出せる魅力的な投資手法です。
ですが現在つみたてNISAを実践している方でも、本記事の内容で腑に落ちない点がある場合はなるべく早く解消されることをお勧めします。
これから訪れるかもしれない暴落相場において何よりも大切なのは投資を続けるためのメンタルです。
「何のために投資しているのか」
「投資している対象はどんな特徴を持っているのか」
「長く続けることによってどんなメリットがあるのか」
しっかりと理解しておくことが意図せぬ売却を防ぐために必要だと考えます。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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