【目指せFIRE】日本でもメジャーな4つの種類と特徴について解説
FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの頭文字を取った造語で、意味としては「経済的自立」と「早期退職」を指します。
早期リタイアといった方がピンとくる方が多いかもしれません。
発祥は海外ですが、日本においても終身雇用と年功序列賃金の崩壊に伴い、若者を中心に「自身の生き方」を見直す過程でこういった考え方が生まれています。
現役引退までずっと「労働」することから解放され、自由な生き方を求める考え方には強く共感できます。
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FIREすることができる状態とは
ですが経済的自立というからにはそれ相応の資金が必要になります。
一般的には年間支出の25倍の資金が準備できればFIREすることができる状態といわれています。
例えば月の生活費が30万円の家庭だと
30万円×12か月＝360万円
が年間生活費になり、その25倍の金額だと
360万円×25＝9,000万円
となります。
同様に月の生活費が20万円の家庭だと6,000万円がFIRE必要資金となります。
見ていただいている通り生活費によって必要資金は変わり、支出が少ない家庭ほど準備するべき資金も少なくなります。
この資金を毎年4%ずつ取り崩しながら運用すれば資産が目減りしないとする「4%ルール」はFIRE界隈では有名な話です。
もちろんこういった資金を準備するためにはただこれまで通り「日々の仕事」をこなすだけでは難しいでしょう。
「節約により支出を抑える」
「転職や副業により収入を増やす」
「投資で資産を増やす」
といった行動が必要になります。
ですがこれらの努力を積み重ねたとしても多大な資金を準備するには相応の時間がかかってしまいます。
FIREを達成している全員がこの資金を準備しているかというとそういうわけではありません。
なぜならFIREにも種類があるからです。
目指すFIREの種類によっては準備するべき資金も変わってきます。
今回は日本でもメジャーな4つのFIREとその特徴について解説します。
1. Fat FIRE（ファット・ファイア）
保有資産規模が大きく、残りの人生は遊んでいても生活できるほどの豊富な資金があるスタイルです。
多くの方がFIREと聞いてまず想像するのがこのFat FIREではないでしょうか。
配当や賃貸収入などの不労所得がある場合が多く、節約や副業などの努力も一切不要な状態です。
冒頭で解説した年間生活費の25倍の資金が準備できればこのFat FIRE達成となります。
多くの方にとって一番憧れるFIREといえるでしょう。
2. Coast FIRE（コースト・ファイア）
こちらはFat FIRE同様、リタイアするのに十分な資金が準備されてはいますが、引退はせず、好きな仕事や事業、ボランティアなどに取り組むスタイルです。
好きなことで働くタイプといえるでしょうか。
ライスワーク（生きるためにする仕事）を一切しなくていい状態を指します。
好きな仕事（ライフワーク）をしながら生きるので、充実度は一番高いかもしれません。
3. Barista FIRE（バリスタ・ファイア）
別名「サイドFIRE」ともいわれ、FIRE後も副業やアルバイトなどで収入を得るセミリタイア的なスタイルです。
必要な資金がFat FIREと比べると少なくて済むのが特徴です。
週5日のフルタイム勤務から週3日勤務への移行や、会社員を辞めて副業1本での生活を目指すなど、多くの方にとって現実的に考えることができるFIREの種類だといえるでしょう。
若者を中心に人気なのもこのBarista FIREです。
「必要な資金が比較的少なくて済む」
「会社勤めのストレスから解放されて好きな仕事で生きていける」
「いざとなったら労働時間を増やすことでなんとかできる」
こういった理由から日本でも人気となっています。
4. Lean FIRE（リーン・ファイア）
これまでのFIREとは違って保有資産にではなく、支出にフォーカスするFIREです。
自身が価値があると感じる最小限のものにだけお金を使い、ムダなものには一切資金を割かない節約型スタイルがこのタイプです。
少ない資金で生活するいわゆる「ミニマリスト」がFIREした状態といえるでしょう。
ミニマリストと聞くと一見、苦痛なように感じるかもしれません。
ですが我慢を伴う「節約」ではなく、お気に入りのものだけに囲まれて生活するという考え方ですので、多くの方に支持されているスタイルです。
書籍やYouTubeなどでも数多く紹介されていますので聞いたことある方、もしくは実践されている方も多いのではないでしょうか。
まず目指すべきはBarista FIRE
日本でもメジャーな4つのFIREとその特徴について見てきました。
FIREを目指す人にとって、まず挑戦するべきなのはBarista FIREといえるでしょう。
必要資金がある程度少なくて済み、実現可能性があることがその理由です。
もちろんミニマリスト的Lean FIREも必要資金から考えれば実現できるかもしれませんが、ある程度生活スタイルが固まった方でないとFIREは難しいかもしれません。
若年層ほど結婚や出産、親の介護などどこで大きな資金が必要になるかわかりません。
支出を抑えることによってFIREを目指すのではなく、支出を抑えてFIREに必要な資金を投資に回すという方が現実的だと考えます。
Barista FIREを目指すにしても支出を抑えることはとても重要です。
冒頭でも解説した通り生活資金の大小が準備するべき資金量を左右するからです。
できる限り支出を抑え、収入の多くを投資に回すことが資金準備の最短ルートとなるでしょう。
月の生活費が20万円だとするとFat FIRE達成に必要な資金は6,000万円となります。
ですが生活費の半分は副業やアルバイトで賄うと考えると、準備するべき資金は半分の3,000万円で済みます。
まずは3,000万円目指して支出を抑えつつ投資に回すことが第一にするべきことです。
毎月5万円を年利5%で積立できれば25年で約2,977万円になります。
毎月10万円できれば17年で約3,200万円貯まります。
「さまざまな生き方」の選択肢に
FIREするというのは人と違う生き方になるので相当な覚悟と努力が必要です。
ですがそれが達成できた時にはなにものにも代え難い「自由な時間」を手にすることができます。
仮に達成できなかったとしてもその間に得られた考え方や資産は無駄にはなりません。
「さまざまな生き方」が生まれている時代だからこそ、「これまでと同じ生き方」ではない選択肢を目指してみるのも良いのではないでしょうか。（執筆者：FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光）
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